「亡骸」を含む小説

　雨が降る中、ある男が急逝する。男は「悪魔」と呼ばれていた。悪魔は事業を興し、成功した人物である。悪魔は誰かによって屠られたのである。その亡骸には莇の紋が紅で描かれていた。かつて…

大きな黒い川が流れる雨街。そこに住んでいる女性、ナキガラには日課があった。 妖しくも淡々と進む毎日の、繰り返されるルーティーンだけを切り取った生活短編集。

9歳の冬｡厳冬の山奥で一度半死半生の身になった｢わたし｣は異形となり､それから事故や病死､寿命などの理由を問わず動物の亡骸を見つけては人目につかない場所で食べて弔うようになった｡…

僕はカレー専門店の店長だ。僕の作るカレーは暗黒のように真っ黒い。僕はそのカレーを17年煮込み続けている。その間に僕はたくさんの人を殺してしまった。カレーにはそんな彼らの亡骸と残さ…

　【死体漁り】とは亡骸から装備や道具を奪い、それらを売り捌き生計をたてる異端な事をするものである。 　魔法文明が滅び、機械文明も崩壊した世界の中心で構える王国。その裏協会に属…

｢なんで私をおいていくと?!母さん死なんでよ！！｣ ずっと一緒に暮らしていた母親の亡骸を抱いて感情の赴くままに叫んだ瞬間、前世の記憶を思い出した私。 (あ、私、ヒロインやわ…

北海道、北海道の４月は、まだ寒く氷点下の日も多い。 そんな１９６８年４月２０日、苫小牧漁港から２人が 乗ったホッキ漁船が出港し、港に戻ろうとした時、 佐藤義之の同僚の嵐山正一（３…

青年には幼馴染の彼女がいた。 その日、二人は村外れの川辺に外出していた。 そこで記念日を慎ましく祝っていた。 その帰りだった。 鬼はその光景を見ていた。 鬼は人の憎しみや悲しみを…

　大相撲の巡業が行われるはずだった会場、その土俵の上で大関の亡骸が発見された。京都府警の刑事である神園薫は現場に急行し、さっそく捜査に乗り出そうとするが……。 「女性の方は土俵…

「この都には、空がないのよ」 　舞台は、亡き魔女の呪いによって空の色が失われたとある王都近郊の村。国付きの魔法使いの提言により、村のそばにある、魔女の亡骸が眠る森へ王軍が派遣され…

運命というものがあるのなら、それは、多数の枝を持つ大樹のような姿をしているに違いない。 何かの本で、そんなふうに読んだ。 一つの枝があった。 額に朱い胞珠を頂く理仁《りひと》は…

―――人の亡骸から造られた少女は今日も悩み、憂う。 どうすればあの人に相応しい、完璧な人間になれるのかと。 死体から造られた人造人間の少女と、それを造った男の話です。 恋愛要…

母親を失って以来、独りで山で生活してきた少年、アレン。 親の温もりを知らない彼は一人、幼い頃に旅立ってしまった父親の帰りを待っていた。 そんなある日、アレンの元に来訪者が現れる…

北国の町で見つかった焼死体、その無残な亡骸は数か月前に暴力事件を起こしてパートナーのマスコットと逃走していた魔法少女のものだった。 残酷美を売りとする特殊な映像業界で活躍してい…

大聖堂の祭壇前、ステンドグラスの淡い光に包まれた血塗れの兄・ハインリヒの亡骸。 妹・ユリアーネは、正面から剣で刺し貫かれたその傷を見て、“騎士隊”の誰かの手により兄が殺された事を…

男には記憶がなかった。 今までどうしていたのか、自分は何者なのか、どうしてこの曰くのある町に居るのか。 何もかもを忘れていた男は、しかしたった一つ、覚えていたことがある。 それは…

君の死体を見ている。 動かない君の亡骸を見ながら僕は悔いている。 助けたかった。 でもしなかった。 これは後悔の物語

やったにゃん！！ 2016年9月27日付カクヨム週間総合ランキング1位をとったのにゃん！ 6万pv達成だにゃん♡　ありがとにゃん♪ 鰆崎鰍は百年生きた猫又の魂が亡骸を埋めて供養…

政府転覆を狙うテロ集団「EGOIST」そのメンバーの三日月悠也はテロリストでありながらターゲットである政府高官のご令嬢の時貞摩耶に恋をしてしまう。「EGOIST」を抜け出してでも…