鬼夜叉

@shion_0490

プロローグ

神さまなんて奴はきっとこの世にいないのだろう。


もしいるのなら、

世界はとっくに平和になっている筈だ。

いたとしても、ソイツはよっぽどサボり症か役立たずもいいとこだ。


死神の方がしっくりくる。

他者を呪い、おとしめ、さげすみ、祈りを馬鹿にし、命を奪っていく。


この世は至ってシンプルだ。

強い者が生き残り、弱い者が死んでいく。


運命なんてものがあるが、それは差別や偏見、憶測で作られた一種の欺瞞ぎまんの塊だ。

人は己の力で道を切り開いていく。

その生き方こそが定められた命の使い方、運命なのだ。


あの時を迎えるまでは、僕はそう思っていた。


運命…。

あれがこの世に生を受けた時点で定められていた事であるのなら、

僕は神様なんてものを絶対に認めない。


ねぇ、神さま…

助けてよ…


空は

あまりにも暗く


僕の瞳に光は届かなかった。

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