「ふたりなら」を含む小説

主人公「俺」は観光先で雨に遭い、こぢんまりした古民家風の本屋を見つけ、雨宿りもかねて入る。棚からタイトルのない黒い表紙の本を手に取る。開いてみると、突然まばゆい光が発し、本を落と…

　ある日、悪魔たちがあらわれ、この世界に塔をたてた。 　悪魔の塔は、木々をからし、水をひあがらせ、病気をふりまいた。 　山育ちの少年ヤクは、塔の病におかされた姉エレナを助けるため…

※今作は『ガラスの魔女は復活できない。』シリーズ第３編です。 第１～２編のネタバレを含みます。 ◇◇◇ ガラスの魔女の復活など、夢のまた夢なのかもしれない。少年は誰よりも…

矢地慎哉には、彼女がふたりいる。 ひとりは、クラスでこっそり付き合っている彼女――鴨川優美。 ひとりは、転校により再会した幼なじみであり、初恋の相手でもある彼女――辻葉月。 …

万延元年のこと。 町居の剣術家は廃墟に出るという幽霊のうわさ話を聞いた。 江戸の庶民は物見遊山のつもりで廃墟に押し掛け、夜半に町の戸を出ているのも問題あるし、留守の長屋に泥棒が入…

そっくりな双子の妹リサは、なんでも私と同じにするのが好き。同じ服、同じ髪型。ついには同じ結婚相手に嫁ぐとまで言い出して──。私の嫁ぎ先は、"血濡れ大公"と噂のある王弟、ライオネル…

横浜みなとみらいにあるコーヒーチェーン店モビーディック。１日一度、毎朝コーヒーを注文し、作って手渡すだけの客と店員ふたりの人生は、次第にカフェラテのように混ざり合っていく。

　シノは、わずか三つで猿の妖異に生贄に捧げられた。 　だが、偶然通りかかった、まつろわぬ神アカメの取りなしにより、その生命を永らえる。 　――この娘が十になったら、再び差し出…

週末、特別な予定のない日は、 彼女とふたりでご飯をつくって一緒に食べる。 今日はカレーだ。 つい俺は、カレーの隠し味について語りはじめてしまった。 そう、あの話をしたいがために……

【最新3巻 2023年12月20日（水）ファンタジア文庫より発売！】 　彼女――宮城は変だ。週に一回五千円で、私に命令する権利を買う。一緒にゲームしたり、お菓子を食べさせたり、…

数年前亡くなった妹・美冬の墓参りに来た、姉・春子。 そこで偶然、妹の恋人だった男、幸人と再会する。 春子は幸人と会話を交わし、妹の生前を思い出していく―――――。

「今から涼音と駆け落ちしてきます」 「行ってらっしゃい。いつ帰ってくるの？」 「夏休み中には」 来年には一緒にいられない涼音と巽。 最後の夏を一緒に過ごそうと、駆け落ちを決行す…

　侯爵家の忘れられた長男ユスティン。彼に与えられた唯一のメイドは、"迷い虫"と蔑まれる"親木"を失った妖精だった。 　離れに追いやられた少年と無口な妖精は、静かに日々を過ごす。あ…

私の誕生日に亡くなった両親。母がネットに投稿していた日記を読んで、『むすび』物語を書いて出版した雅。出会うはずのなかったふたりが出会った時、『世界は僕を見ていない』もうひとつの名…

　兄の死により、男爵家を継ぐことになったヴェロニカ・スティカ・アースラ。彼女の婚約者は、婚約破棄後、妹と婚約することになった。しかし婚約破棄の翌日に、妹が失踪してしまう。 『もう…

隣り合うふたつの国、アタナスとナハト。両国にはそれぞれ、同い年の"聖女"がいた。 かたや蔑まれ、非道に扱われるアタナスの聖女。 かたや尊ばれ、大切にされるナハトの聖女。 まるで…

不定期掲載

規定世界――私たちの暮らすこの世界は、異世界からそう呼ばれている。 異世界は規定世界の想像力で形作られ、それゆえに規定世界で起こるイメージの変遷やミーム汚染によって災害級の被害…

倉田刑事は新里警部補のことが大好き。 そんなふたりが、ある時、陰謀に巻き込まれて…？ 『バックマスキング』番外編。 11月27日時点で、この仲良しコンビの活躍が描かれてい…

異世界と空間を結ぶことにより、宇宙の膨張がこの世界よりも遅い異世界と、この世界の空間密度の差を利用して電力を発生させる技術＝時空位相差発電システム。 10年前の交通事故で亡くなっ…