ふたりのリビングデッド
尾武たまご
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人間は忘れられた時が死ぬ時だ、と聞いたことがある。
それならば、覚えられている間は生きている、とすることができると思う。
たとえ死んだとしても、形見に、思い出の場所に、映っている写真に触れるたびに思い出すなら。その瞬間に存在していた事実に浸れるなら、記憶の中で生き続けることが出来るなら。
ある意味、死人の方がよっぽど、生きているのかもしれない。
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