「カクヨムオンリー 純文学」を含む小説

ただ救ってほしいだけ

世界には外側がある。そのことを知ったアカネは、心酔するバンドのヴォーカル「コダマ」の声と歌を後押しにそこへ向かう。今、世界の縁に彼女は、ピンクの塊となって、飛び出す。そこに待ち受…

悩み、笑い、生きること。海宝 千歳はいつもと変わらない日々を過ごしている。やや後ろ向きで淡々とした性格の千歳だが、いつもそばには楽観的で明るい同居人、鹿野 桃葉がいる。 今この瞬…

大好きな一篇の詩を元に創作した、5人の物語です。 最後に元となった詩を紹介して初めて完成する短編集となっております。 詩を読んでからもう一度読み返していただくと、二度美味しいかも…

ある日の早朝、ピアノの音に惹かれるまま僕は歩いた。朝焼けに照らされる音色は、儚げな音色は、それはそれは綺麗だった。

「嬉しい。私からも、よろしくお願いします」 　後に彼女となる女性から、頬を朱く染めながら言われるこの一言は、全人類にとって至高の時間と定義しても良いだろう。 　彼女は俺の好みドン…

善い人であろうとする人生ってなんでしょう？ 善い人生ってなんでしょう？

　人生に劇的な出来事なんて無いと確信したのは――二十九歳の誕生日に、約七年付き合った彼氏に別れを告げられた時だった。 「ごめん、他に好きな人が出来た」 　その時の彼（現在は元彼）…

深夜の裏道で不気味な子供と遭遇する「ドブの幽霊」 左右非対称の体で生まれた「醜い王子」 夜明け前に幼い姉弟が逃げる「荷物持つ手」 自分と友とを隔てた壁の上に立つ「こえてゆけ」 過…

ひとりよがりな片想いをする男、話し相手になる女。だいたい二人の会話に男の妄想。嘘くさい関西弁。 言語が破裂している。一番面白い小説を書くって約束したから。

「浦島太郎」を翻案したファンタジー小説です。 戦国時代の騒乱による飢餓をこらえたウラシマ。 彼は目の前に打ち上げられていたウミガメを"食糧"として狙ったが……

新人賞の選考会に、新たな風が吹き込んだ。 誰もが受賞を認める小説の作者から、編集者の島田は「新人賞の受賞を辞退します」という衝撃の言葉を告げられた。 島田はその才能を諦めることが…

自分の中にあるわけのわからないもの。

緑のたぬきが大好きな高校生、横山三波。 いつも通り購買所で緑のたぬきを買おうとするも、幼馴染、美団狐吉に先を越されてしまう。 屋上で渋々買った赤いきつねを食べていたら 狐吉がやっ…

自分の本性を隠して生きる男とパートナーの話です。

日常に潜む、微かな、確かな、だが確実に残酷な苦しみの数々。コロナで翻弄される毎日。血を吐くように生きる人々の一幕。 オムニバス形式で物語る、人々が煙草を吸った初めての日。小さな…

私たちの使われていない脳の容量は、「能力」のために存在する。 歴史や事実、相手の記憶迄もを根底から覆すほどのを力を、みんなは持っている。 人や自分を、生かすことも殺すこともで…

AIを用いた異常気象予測を研究する斉藤正平は一つの暇つぶしに没頭していた。 それは自然言語を自在に操るAI都市の作成と制御だった。 一方、正平が"実験"するAI都市では奇妙な"神…