来ル来ル

“来ル来ル”

整理券を取ってしまったあとは

やがてつかぬ事で落胆することになる

ルーレットは車輪と関所を燃やして

回転数とともに凪いだ雪を耕す

制服のボタンが退店する

ざわめきのように髪を振り乱して

点と線をつなぐ

煩雑としていた世界は

シュークリームの中に納まる

甘い慟哭の中で

未だに切符を探していると

また次の暗澹がさえずり出して

ひどく狼狽してしまったことを後悔する

それでも挨拶を見つけたいと

簡単に改まってしまった光線を躱して

垂れ篭める傍線の雨曝しを抜けると

まぐわった交錯地点に濃淡が残っている

手遊びを忘れてしまった子どもよ

打ち上げられたままの花火のように

日差しの元、散弾銃を撃つことを

躊躇う日を求めて歩き出してもいいのだろう