日記から始まり、そしてリアルな描写によって綴られていく物語。タイトルの通り季節があり、そこに沿って物語は進んでいく。この季節を堪能しながら、是非とも読み進めて欲しい。徐々に徐々に、2人についても明らかになっていく。それは季節に移ろいと共にあり、ゆっくりと、けれど確実に進んでいく。そんな時の流れを感じる一時を、この作品で味わって欲しい。
ひとことの理由、それは、この作品は「時の流れ」を身体的に感じながら読むのがよいものだからです。この物語は七十二候に沿って展開してゆきますが、その時の流れと呼応するように登場人物も変わってゆきます…しかしその変化は、まるで季節の移ろいのように緩やかに、そして繊細に…シームレスなこの作品とデジタル時計は調和しません。どこか落ち着くことの出来ない現代社会、この作品はそこから私達を連れ出し、ゆっくりと時間が流れるどこか切ない世界へと誘ってくれます。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(76文字)
現代ドラマとなっていましたが、最初はてっきり百合系の話なのかと…でも、実際にはゆっくりほっこりな話が続く、普通に安心して読める作品でした。今後の展開に期待ですね。
非常にリアルに、そして読みやすく軽快に書かれている作品です。現代の誰にでも経験があるような、そして訪れるような毎日を、ストレスを感じさせず読ませるのは作者様の手腕だと思います。異世界転生作品のような急激な変化はありません。あくまでも等身大な日常に焦点を当てた作品です。一話あたりの文字数も丁度いい感じなので、是非通勤通学の隙間時間などに読むことをオススメします。