「体 短編」を含む小説

　～２０９０年。増え続けるマイクロプラスチックは、海や空、果ては人間の体にまで生息地を伸ばしていた。～ 　人並外れたタフネスを持つ少年、班目翔大《まだらめしょうだい》は、愛する…

「ケイトのお兄ちゃんは、運び屋なの。変異体さんから依頼を受けて、荷物を運ぶ、すごい“化け物運び屋”だよ」 バイクにまたがり高速道路を疾走するこの少年、化け物運び屋である。 変異…

高校の帰り道、高志は車と衝突事故を起こす。 クローン技術が発達した現代、壊れた体は代用できる高志は一命をとりとめたが…… 人の体はどんなに入れ替えても、それは元の人と同じ人と言え…

レジに、おにぎりとお茶のペットボトルを置き、尻ポケットから財布を取り出す。 「あと、33番ひとつ」 「合計、900円になります」 　財布から1000円札を抜き、店員に渡す。 「1…

山奥に佇むその研究所。様々な分野、主に医学生理学において秀でた論文を排出し続けるこの場所で天才と呼ばれた研究員たちは乙女の自由改造が許可された。 許されざる領域に手を出してしまっ…

高校生のハルカが幼馴染の天才カナ兄にチョコレートを渡しに行ったら、とても大事な研究を見せられた。 その研究とは、チョコレート細胞と特殊チョコレート合金で作られた超巨大杉田玄白だっ…

　翔太はいつか月の裏側を見るべく努力していた。ある日、謎の生命体と出会いそれを「もふけ」と名付ける。 　この出会いが翔太を高みへと導いてくれること彼はまだ知らない……

正二は幼少期、真夜中の森で黒い「何か」と遭遇する。そいつは「カラダ……クレ」と何度も呟いた。 幼き頃の正二は、その純粋さゆえに体のある一部を差し出してしまう。 そして、そいつは「…

「じょ……冗談じゃないですよ！！？」 砂漠の街で、ひとりの若者の悲鳴が響き渡った。 バンダナを巻いた若者は、フリーライターである。彼は今、取材の依頼を断ろうと必死だ。 取材の…

自分の気持ちに蓋をしていると体に毒が回って死にそうになりますよね。解毒しましょう。

　フランセーズ幕府が、民衆へ服装規制を行う世界で、御洒落御免状の発布を求める維新軍が担ぎ上げるのは、緑扇宮ルウ……。ファッションデザイナーとそのフィットモデル（語義はパートナー）…

砂漠の小さなオアシスの村で、サラは金のために体を売っていた。魂の脱け殻のように過ごしていたサラだが、幼い頃はもっと幸せだったと思い出す。幼馴染みのイルカとの幸せな日々。だがその幸…

突然前触れもなくやってきた不快な声。 私にしか聞こえない、その声を私はラウドノイズと名付けた。 ラウドノイズは、毎晩必ず現れる。 「夜は私のもの」 私はラウドノイズに夜と体…

　雪の中に男が倒れていた。若い、兵士の格好をした男だった。雪は遠慮がちにその上に積もっていた。そのままなら、男の体は白い土の下で、永遠に眠り続けるはずだった。 　――そこに、二人…

男は神から時間を巻き戻す力、『ループ』する能力を授かっていた。 だが何億通りとループしていくうち、愛する家族や友人、恋人さえも虚に感じるようになる。 死んでも体が再生する永久…

　男は自殺しようとしていた。 　片想いの恋が無残に散ったのだ。 　せめて死ぬ前に、電話一本をかけて呼べることができる愛されたい男の元に来たのは、メイド姿をした女の子だった。 …

説明しよう。 私ことアリアーティア・ローランスは超絶ど近眼の悪役令嬢である……。 気が付いたらファンタジー系ライトノベル≪君の瞳に恋したボク≫の悪役令嬢に転生していたアリアーテ…

高校を見つめる女子中学生を、彼は見えないところで見つめるしかなかった。 なぜなら、彼は変異体と呼ばれる化け物だったからだ。 桜がまだ咲いていないころ、彼はふたりのバックパッカー…

俺は、自宅でテレビを見ていた。「あなたの好きな体の部位は？」という番組でたまたま見ていたが、中々面白い。 同棲している彼女は、その番組を横目に買い物のメモを書いていた。俺は彼女…

『✕』１ 『✕』印は、コンテストに落選した作品の刻印です 　地下の怪しげな『手術室』の円形手術台に、手足を広げた大の字の格好で拘束された。 　下着姿の若い女性、手術灯の下、女…