「息」を含む小説

白崎夜兎（しろさきやと）、享年19。20歳になる一月前に病床で息を引き取った。 ありがたいことに両親はその瞬間を看取ってくれた。だが罪悪感と後悔が死の淵に付きまとう感覚も確かに…

誰だって隠したいことがあると思います。 僕に関しては女装がそうですね。それが、ほかの人には言えなくて息がしづらいと思うかもしれないけど 世の中にはきっと認めてくれる人がいるんです…

11年前に離婚した両親。当時14歳の姉・凪は母親に、9歳の弟・諒介は父親にそれぞれ引き取られ、一切交わることなく日々を過ごしてきた。 父の急死をきっかけに再会した姉と弟。 11年…

流行り病で働いていたカフェが潰れて困ったオレは、フードデリバリーの仕事をしてこの困難をやり過ごすことにしたんだ。 なのに配達開始初日、タワマンのエレベーターが故障しているとかでい…

世界にダンジョンが生まれて早三年。 ダンジョンでレベルアップした選ばれし者共が特殊能力を身に着け始め、探索者による犯罪や魔物を研究し怪人を生み出す悪の組織が問題になり始めた頃。 …

「お兄ちゃん助けて！」 　ノックも無しに部屋に転がり込んできたそいつは開口一番そう叫んだ。 　走って帰ってきたのか、息は荒く肌は赤く蒸気しこちらを見上げるその瞳はうっすらと潤んで…

不法侵入した家。お湯の張られた浴槽の中で水死体のように眠っていた綺麗だけれど難のあるクラスメイト。 それから、誰にでも好かれたいという願望で少し歪んだ優等生。 二人が周囲を振り切…

大学生の純太と大木の神・シノノメが、友情の枠を越えた「未来」を、「永遠」を望んだ話。

世界は美しい。この美しい世界で永遠に生きられたらどんなに素敵だろうか。 そんなことを思っていた僕の目の前に、ある日空から女の子が落ちてきた。 どしゃっと潰れた彼女だが、すぐに息を…

救いの神子であるレティシアは王太子妃のシャロンに、偽の救いの神子で国を滅ぼそうとしているそしてシャロンを殺そうとしたと身に覚えのない罪を着せられ、婚約者のジークハルトに殺された。…

　ある日西ノ宮龍樹はいつものように高校で授業を受けていると、終業時刻でもないのに授業中にチャイムが鳴り、学校内に不審人物が入ったことを知る。 　放送の数分後突然親友である藤丸春太…

　 紅い唇に息を飲む。 蒼い微笑みに立ち竦む。 矢のように降り注ぐ流星の中で、 私は私を見失う_________ ;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:…

大石内蔵助の妻りくと赤穂事件当時の江戸詰家老藤井又左衛門及びその息又右衛門の再会ストーリー

冬の公園で、彼女は「私も月に行きたいです。何もかも捨てて……」と白い息とともにこぼした。

婚約破棄ざまぁ大喜利ショートショート26番の「Ｓ」サァラの話を膨らめてみました。 他視点語り。ただそう書くのが好きでないので新聞という形をとってます。 元の話はこんなん。 ＊…

　ときは一九九〇年代。まだ携帯電話の類はほとんど普及していなかった頃のこと。 　中学生のアキは誕生日を迎えて、十三歳になった。アキの父親は再婚で、だからアキと母との間に血のつなが…

陽太のクラスに、葵という女子生徒が編入してきた。何故かやたらと積極的な彼女に振り回されつつも、楽しい高校生活を謳歌していた陽太であったが・・・　彼女が起こした発作に端を発し、葵の…

　高校二年生の坂井夏生は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めて…

「先輩、覚えてますか？」敵との攻防で瀕死の状態のノルンが口にした。セイゴは助けようとするが、目の前で戦友は息絶えてしまう。戦争を終わらせる一手としてベルー石を手にしたセイゴは追手…

「今どこにいますか？」 　漂ってきた甘すぎる香水の匂いに、マスクの下で息を止めた。