親友と共に最強目指してみた

アキンフェンワ

ユグドラシア大陸編

プロローグ

 今俺は、海田高校の2階でつまらない現代文の授業を睡魔と闘いながら受けている。


 高校生活はつまらない日々の繰り返しだ。何か自分の心をくすぶらせるような出来事が起こらないかと期待している。


 隣の席は親友で関わりの深い藤丸春田ふじまるはるたの席だが今は誰も座っていない。おそらく仮病を使って保健室に行くふりをして今頃屋上で携帯ゲームでもやっているのだろう。彼は頻繁に授業をサボる。


 そんな授業中、まだ授業は終わっていないのにも関わらず、チャイムが鳴った。そのあと放送が流れた。何についての放送なのかさっぱり検討がつかなかった。


「不思議な荷物が届きました。男の先生方は手伝いをお願いします」


 その瞬間教室がざわめいた。俺の学校ではこのアナウンスは不審者の侵入を意味する。現代文の担当教師は俺たちに教室内にいるように言って足早に教室から出ていった。数分後それと入れ替わるようにして教室の扉が開いた。そこには俺の親友である藤丸春太がいた。彼は教室まで走ってきたせいか息を切らしている。


「せ、先生たちが……。凶器を持った奴らに襲われてる」


 俺は始めは何を言っているのかさっぱり理解できなかったが次第に何が起こっているかを理解し始めた。それと同時に春太の背後から黒い影が迫ってきているのがわかった。黒い影はハルタを後ろから刃物で勢いよく刺した。そして瞬きを数回した後には春太の腹から大量の血が流れ、親友である春太は倒れていた。俺はそれを目にして恐怖と怒りの両極端な感情が湧いてきた。


 なぜだろうか。俺は考えるよりも先に体が動いて黒い影へと向かっていた。


 俺は春太を刺した後ろの黒い影の頭部に蹴りを一発くらわせた。しかし背後いたもう一つの影に気づかず、俺も春太と同じく腹を刺され倒れてしまった。周りを見渡すと辺りは悲鳴で溢れかえりクラスメートたちがパニックに陥っていた。


 自分の腹に手を当てると大量の血がこべりついた。頭の中の整理が現実に追い付かなかった。


「なんだよこれ。俺の人生ここまでなのか……?」


 俺は何もすることが出来ず意識が次第に朦朧としてそのまま目を閉じた。

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