概要
私とこの男は、死ぬまで「姉」と「弟」をやっていくのだろうか。
11年前に離婚した両親。当時14歳の姉・凪は母親に、9歳の弟・諒介は父親にそれぞれ引き取られ、一切交わることなく日々を過ごしてきた。
父の急死をきっかけに再会した姉と弟。
11年ぶりに会う諒介の姿に、凪は息を呑む。
姉と弟の、ある夏の日の話。
父の急死をきっかけに再会した姉と弟。
11年ぶりに会う諒介の姿に、凪は息を呑む。
姉と弟の、ある夏の日の話。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!フィルターのない世界で芽生えた想いは、タブーを超えるのか
姉弟。
そのあるべき関係性を決定づけるのは、果たして何なのか。
それは本当に、血で繋がれたと言う事実だけで、片づけられてしまうほどにシンプルなのか。
例えば時の隔たりと偶然の出会いがもたらした、フィルターのない世界で芽生えた想いも、蔑ろにできるほどに、強固で潔癖であるべきか。
この作品が読者に問いかけてくるのは、そんな本能と倫理が鬩ぎ合った先の、在るべき姿だ。
主人公たちが出した答えが正か否か。
それはきっと、誰にも断ずることはできない。
だから、彼女らの主観に立って、読者の皆さんも悶々として欲しい。
彼女たちのその先も・・・
そんな筆者の、どこかちょっと挑発的な声が、聞こえてくる。