フィルターのない世界で芽生えた想いは、タブーを超えるのか

姉弟。

そのあるべき関係性を決定づけるのは、果たして何なのか。
それは本当に、血で繋がれたと言う事実だけで、片づけられてしまうほどにシンプルなのか。
例えば時の隔たりと偶然の出会いがもたらした、フィルターのない世界で芽生えた想いも、蔑ろにできるほどに、強固で潔癖であるべきか。

この作品が読者に問いかけてくるのは、そんな本能と倫理が鬩ぎ合った先の、在るべき姿だ。

主人公たちが出した答えが正か否か。
それはきっと、誰にも断ずることはできない。
だから、彼女らの主観に立って、読者の皆さんも悶々として欲しい。
彼女たちのその先も・・・

そんな筆者の、どこかちょっと挑発的な声が、聞こえてくる。

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