ヒキニートがチートに目覚めたので、ダンジョンに不法侵入するようです。
スマホが熱い
第1
世界にダンジョンが生まれて早三年。レベルアップした探索者による犯罪が世間問題と化した頃。
俺は自宅に引きこもり、親のすねをかじっている。
『大阪府でスタンピードが…』
ああ、恐ろしい。
かつての地震大国日本はダンジョンがあらわれた影響か、学者によると地震が起きなくなった。代わりにスタンピードという事象が発生し、日本は世界有数のダンジョン特異点であるためか、スタンピード大国となっている。
イヤだイヤだと、こんな危険な時代に生まれた自分はなんて可哀想なんだと心の中で嘆いた俺は、モニターのリモコンをとって入力を切り替える。
暇つぶしにお絵かきでもしようかなと一瞬思ったが、十八禁の同人RPGを立ち上げて、ヌキヌキしながら暇つぶしすることに。
さて、まずはおせっせしようと自室の鍵を閉め、ヘッドセットを取り出した俺は、少し膨らんだ棒を外気に晒して、収集済みのアニメーションからお気に入りの『金髪ロリサキュバスのわからせごっこ』を選んで、再生をする。
ふう、気持ちよかった。トイレにゴミ捨てにいこう。
と、扉のほうを向くと、小学生でも見紛うような美少女大学生、二十三歳の妹がいた。俺は二十三歳なので、2ヶ月差。
たまにヤッてると居るんだよ。鍵は閉めてるはずなのに。
彼女なりの抗議というか、イヤがらせなんだろうけど、おかげでロリへの鬱憤をゲームで晴らす日々でございます。ええ。
あと、2ヶ月差なのは妹を裏庭で拾ったから。というのは嘘で、たしか…えっと、なんだっけ。
「あ、お兄ちゃん」
うわ、現実逃避してたら話しかけてきた。
「話いいかな」
なんでこの妹は、こうもクールに話しかけてくるんだろう。
「あぁ、なに?」
「明日大学の飲み会あるんだけど来てほしいの」
明日の飲み会って…ああ、探索者サークルのか。奴らと会うのは…うーん、忌々しい。すごくイヤなんだけど。
「お兄ちゃんお酒飲まないし、来てくれたら…安心なんだけどなぁ」
いや、探索者のお前なら酒飲まなければ大丈夫だろうと…
言いかけたところで、はたとこの状況に気づく。
妹が、俺のこれを見ている状況。
これを家族にでも言われたら、俺の評判がクソニートから可哀想なクソニートに変わってしまうのではないか。
この状況で、俺に拒否権はないのだ。
「わかったよ」
兄らしい満面の笑顔で、可愛い可愛い妹に、そう返事をする。左手は股間に添えたまま。
この鬱憤は、忌々しい探索者どもで晴らしてやろう。
うん、そういうことに、しておこう。
「ありがとう。また明日ね。お兄ちゃん」
妹が扉を閉めたのを見計らって、俺はトイレに向かう。
ドアの先で妹がニコニコと微笑んでいた。
ああ…なんだろう。少し、興奮する。
俺はもう無視して、お手洗いを済ませた。
今日はもう疲れたし、寝るか。
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