「短編ドラマ」を含む小説

一向に動き出そうとしない船。静止した冬の海。埠頭の公園に立ち尽くす男と女。語られる船の記憶。戦争。核。南極。氷河。噴水。そして……

精神科病棟にいる現実を受けいれられない主人公が突如現れた不思議な少年の夢を聞く話。

――迷子になって、泣いてる女の子を発見した。

“ナナシ” 隣に佇む彼女の名前。 何度も親の離婚で名字が変わることからつけられた彼女の“あだ名”。 そう呼ばれるナナシと俺は親の再婚で義理の兄妹になることになった。 不器用で繊細…

　ある日交通事故で死んでしまった晴也がたどり着いた場所は、ぱっと見普通のホテルのフロント。 　そこに座る男が言った。 「お待ちしておりました。ここは来世への手続きを行う場所で…

私はこれから一人で生きていくのか……。

――昔は良かった。 子供のときは大人のそんな言葉が嫌いだった。 だがいざ自分が大人となるとその言葉の本当の意味が分かってくる。 薄くなる頭頂部。 履けなくなるズボン。 加齢…

――だって、全部私にとっては意味がない。 とある女子大学生の、何も好きになれない呪いがとけるはなし。

※第９回ネット小説大賞(小説家になろう)で二次通過しました。 ※小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。 パチン、パチン、と切符を切る。 客が乗る電車は、あの世行き。 …

短い旅路です。 着地点まで気を緩めぬようお願いします。

　繋がりを断ち切りたい人へ贈る三つの物語。 　それぞれに「繋がり」はないので、どこから読み始めても構いません。 　気になる物語だけを読んでも構いません。 　どうぞご自由に、それぞ…

中間テストの結果に落ち込むのり子と、絶望する絵美。それでも代わり映えのない日常は今日も淡々と過ぎていく。数学教師は今日もマッチョで、チョークをぼきぼきと折りまくる。のり子の母が作…

絶海の孤島にあるゲストハウスに、凛は弟の翼とともに閉じ込められた。 止むことのない嵐。 理不尽な規則のあるゲストハウス。 そこに隠された秘密とは……。

とある海に面した国にある観光地、映画島。 そこは、映画の撮影が頻繁に行われることで人気だった。 そんな島を訪れた一人の青年。 そこで、彼は急遽、ある映画の撮影に協力することになっ…

　臨終の病室にて、死にかけの老婆は「あと、もう少しだけ生きたい」と家族に言った。

　ザー……ッ。 　雨だ。雨が降っている。 　私は布団の中で、身体をもぞもぞさせながら目を覚まそうとした。

「そうだ！　インドに行こう」 「マジか」 　同僚のAは、よく海外を旅行する。 　だが目的地は、その時その場の思いつきであり、Aは旅行すること自体が目的であって、現地で何かをする…

思いの内側を言葉にする物が、相談なのか。 話を聞くことが相談なのか。 相談とは何のためにすることなのか。