「色褪せた」を含む小説

　生まれて、死ぬまでの間に人は思い出を積み重ねる。 　古い思い出は次第に色褪せて。しあわせな思い出も、そうと気づかんで忘れてまう。 　せやのになんで、思い出を積み重ねるん…

幼馴染のひとみと美奈は、和歌山と東京で生活をしていた。ひとみと美奈には共通の趣味がある。 美奈が大学の春休みで実家に帰還し、久しぶりに動物園へ出かけると、色鮮やかな日常が待ってい…

大切な人は、いつまでも心の中で生き続ける。思い出は色褪せない。でも、きっと…。

少しだけ色褪せた淡い初恋は、ここまでの僕の人生を支えてくれた。

今ならわかる・・・あなたとの出会いは運命だったと。 あなたと別れてどの位の時が経ったのだろう・・・ 何年経っても、あなたの声もしぐさも笑顔も全て思い出せる。 いつまでも、いつまで…

家具の少なくなった祖母の家。 ふと日焼けした畳に残った跡に幼少期を思い出す。 もう聴く事の無い糸の音を記憶から探し出す。 これはそんな話。

｢褪色病｣ 私の親友から、色を奪った色覚異常の1種。 緩やかに灰色になっていく世界で、一体彼女は何を見ているのだろう？

　山奥でひっそりと暮らす青年ブレッグ。 　元冒険者という経歴をもつ彼は、自然豊かな山の中で誰にも邪魔されない生活を満喫していた。 　いつものように山菜を採取していると、すやすや眠…

「私がマダムなら、貴方はミスターかしら」 上品な仕草で笑う女性と、優しくも口下手な男性。年嵩の二人は古い映画の再上映をきっかけに出会った。当時誰もが夢中になったラブストーリー、…

見事になった肉体と、その後の悲劇。

どんな人にも必ず死が訪れる。 これは愛する人のその最期に伝えられなかった、行き場のない想いを綴ったある一人の女性の物語。

ぬいぐるみのくまはずっとお店のショーウィンドウから外を眺めている。 気に留めてくれる人はいるけれど、誰にも買ってはもらえない。 色褪せたくまが幸せになる話。

　ずっと歳の離れた姉の物だと思っていたぬいぐるみがあった。 　結婚式を数日後に控えた姉の最後の荷造りを手伝ったあの日から僕は……

会社の先輩が休憩中に読書をしている。家の向かいに古本屋ができたらしい。やがて先輩の様子は日に日におかしくなり……

カクヨムの企画のお題｢本屋｣応募作品です たまには違う道を歩いて見つけた並木通りにあった本屋、古くて色褪せていて年季を感じる物ばかりだった。 何気なく立ち寄ってみたら"未入荷"…

初恋はその人の想い出。その後誰とどんな恋愛をしても決して消えるものではない。それも全部含めて、その人なのです……

　時空を超えて、愛のファンタジーが繰り広げられて行く。その舞台は、東京を中心に、ニューヨーク、更に『黄泉の国』（輪廻の神が降臨する）へと展開します。 　時代は、現代（平成）、過去…

　日ノ本一の遊廓とは名ばかりで、この色街は人間の見世物小屋だ。 　来る客のほとんどは獣人や人外で、何が愉しいのか人間の女と夜を明かす。普通に抱く者もいれば、面白可笑しく観察し…

古いフィルムのように色褪せた記憶の中、僕には忘れられない人がいる。 10年前。美しい庭園。彼女の鼻歌。言葉が通じなくても。たった一度しか会ったことなくても。僕は彼女に惹かれていた…

「有馬山　ゐなの笹原　風吹けば　いでそよ人を　忘れやはする」ある日の授業中、目に入った和歌で、高校生のダイバは不思議な感覚に襲われた。 「どこかで聞いたことがある——」 そんな思…