「奇譚？」を含む小説

嘘月百奇譚をもとに140文字ちょうどのツイッター小説に作り変えた超短編集。 新たなエピソードや、オチが変更されている話もあります。 気軽に読める作品を目指して再編集。

文芸部は俺とBの二人だけの部活だった。 二年の俺が部長で一年のBが副部長、この高校の絶滅危惧種である俺たち二人は特に保護されることもなく、ダラダラと日々を過ごしている。 そんなあ…

至って彼女は平凡だった……前触れなく、自身の記憶を喪うまでは。 2016年9月某日 ――旧暦・神在月。 神々が集う地として名高い、日本の地『神来社/からいと』で起こる、境内丸ごと…

行列のできるトイレからはじまる冒険譚

慶長六年、徳川家康の命により甲賀忍者は東海道再整備を妨害する怪物、巨大蟹の殲滅任務を行っていた。 しかしいかなる忍術でも太刀打ちが出来ずにいた。 この珍妙なる戦の指揮を任された忍…

海辺の漁村に育った私の人生は、幼いころ世話をしてもらったさな、結婚相手のいを、最後に現れたとわ、そっくりの相貌を持つ三人と共に、人魚の鱗を軸にしてどこまでも廻っていく。

初夏の夕方。暇を持て余した私は、田舎のあぜ道を散歩していた。すると、どこからともなく何かを数える声が聞こえてくるではないか…… 「五枚、六枚、七枚……一枚足りない……」

池袋近郊で起こった奇妙で不気味な怪異譚。

　ツッコミどころ満載！？　勇者(オレ)が魔王から鬼姫(オニヒメ)を助け出したところから始まる、サクッと読めるちょっと不思議な！？　王道(？)ファンタジーコメディー作品です！！ …

空が赤く染まった日、ひとりの少年は失恋に沈み、ひとりの少女は自ら身を投げた。 その少年、天見ナノヤは次の日、菊原桐李と名乗る少女と出会うことになる。 様々な化け物が跋扈するこの町…

幸いを求める賢者と旅人の邂逅……それは、とある酒場での出来事。

古の時代から、幽霊でも妖怪でもない“それ”がこの世には存在している。 名前のない“それ”は知る者はごく僅かでありながら、人間に危害を加えたり、時に死に至らしめる危険な存在。 そん…

　19世紀後半、ヴィクトリア女王治世下、産業革命以来空前の栄華を極めたイギリスは、今まさに世界の覇権を握らんとしていた。 　英国中部の町ノッティンガムのガレット伯爵家に生まれ、シ…

若者から老人まで、世代を超えて巻き起こす摩訶不思議なストーリー。病棟ってやつは、信じられないことが起こるもんだ。

和風怪異幻想奇譚。侍の青年になった燕は鬼へ変じる呪いを解くため旅をする。 燕の篭《ろう》は、恩人の和尚の甥十馬《とおま》を救うため、病で死にかけている侍の青年十馬と同化して人間…

天井裏を叩く規則的な音。 壁に向かって設置されたカーブミラー。 天窓のある子供部屋としつけのされていない犬たち。 神社の舞殿の床板の裏についた手形。 無人の倉庫からかかってくる内…

見た目だけ異様に柄の悪い中卒フリーター鈴木太郎と、演劇部で副部長をつとめる見た目も普通な男子中学生新谷新の下町ワンダーミステリー

昭和時代の入社試験面接の話である。制作会社の社員ディレクター鈴木洋一は入社試験の面接官を引き受けることになった。自ら進んで引き受けた役目ではなく、沖縄ロケに行っている最中、社内の…