概要
燕の篭《ろう》は、恩人の和尚の甥十馬《とおま》を救うため、病で死にかけている侍の青年十馬と同化して人間になる。しかし十馬の病は単なる病でなく怨念による呪いであり、侍の一族は古い呪いに憑かれていた。
篭は十馬の弟宋十郎の助けを借りながら、呪いを解き秘密を明かすため、西の京を目指して旅に出る。
人外系の若者が主人公の、ホラーと時代もの要素のあるアクション和風ファンタジーです。
主人公やそれを取り巻く人々には謎があり、物語の進行とともに徐々に明らかになってゆきます。
全体的に重くシリアスですが、ほのぼのや笑いの要素もあります。
舞台はぼんやりと室町~戦国時代くらいを意識していますが、知識不足もあり、曖昧です。
男女問わず
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!燕の篭(ろう)はひとりの男の体に憑いた。が、その男の体は鬼の塊だった!
作者さまの、素晴らしい筆致で描かれた、見事な作品。
無邪気な燕の篭(ろう)は、受けた恩を返そうと、ひとりの男の体に憑きました。
ところがその男、普通の男ではなかったのです。
その男、十馬には、祓いきれないほどの、凶悪な鬼が、いくつも憑いていたのです。
十馬は、どうしてそんな体になってしまったのか。
そして、十馬に憑いた鬼の凄まじい力を利用しようと、暗躍する者たち。
弟、宋十郎と共に、鬼を祓うために旅立つ、篭(ろう)=十馬には、どんな運命が待ち受けているのでしょうか。
あなたの目で、見届けてください。 - ★★★ Excellent!!!無垢なる魂は人の世の闇と光に触れながら。
自分を救ってくれた和尚に報いるため、自らの魂を差し出した燕の篭(ろう)。
彼の差し出した魂は、鬼に憑かれ、魑魅魍魎に侵された十馬の身体に宿ることとなる。
兄十馬の変貌ぶりに不審感を抱いた弟の宗十郎は十馬の中に宿る魂が兄のモノではない事を見抜き、目の前にいる兄は燕の篭であることを知る。
二人は十馬の中に潜む鬼を祓うための過酷な旅に出ることとなる…
悪鬼が潜む物陰の闇。
魑魅魍魎が跋扈する貧しい村々。
武士と農民の危うい関係性。
人の心に巣食う様々な穢を、無垢な燕の魂が見つめる和風怪異譚!!
魅力的な登場人物達が怪異蔓延る古の日本を舞台に希望を求めて藻掻く様は胸を熱くさせます。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人に宿る(憑いた)燕の魂視点で魅せる和風ファンタジー
都合により20万文字程度しか読めていませんが、そこまで読んだ感想としては「とても良い作品」でしょう。
少なくともレビューを書いて応援したくなる程度には。
ジャンルは異世界ファンタジーですが、物語の舞台は中世日本のようであり、読むとジャンルとの違和感を感じます。
結果、ありきたりな異世界ファンタジーを好む層とのギャップを生じさせるので、避けられてしまう要因ともなっているのかと。
ピッタリ当て嵌まるジャンルが無いのが原因でしょう。
この辺はカクヨムサイドで考えて欲しいと思います。
人でありながら人ではないものに憑かれ床に伏せる主人公。
瀕死の状態で寺の和尚に拾われた燕。
恩義を感じた燕は床に…続きを読む