「二人 少女」を含む小説

「……もしかして字が読めるの？」 六歳のある日、ウィルは多くを失っていた。保護してくれた心優しい青年の家には、もう一人の子供が。初めて顔を合わせた瞬間からどこか訝る目を向ける少女…

「みんな忘れてしまった。あなたまで――。あなただけでよかったのに……あなた一人が覚えていてくれたら、私はそれでよかったのに……」 突如、村を襲う謎の現象。 影を失い怯える子供た…

　麗らかな春のまどろむ小学６年生初日の教室で、窓の外の桜色を眺める女の子の四角い爪が気になり、僕は彼女に声を掛けた。 　人を寄せ付けない言動と、大胆な行動をする彼女に、僕は惹かれ…

「ダンジョン配達人なんて、クソみたいな仕事だろう？」 「荷物を運ぶだけの腰抜け……冒険者に分類されるのも、おかしな話だよなぁ」 そんな風に揶揄される、ヴァルクランド共和国のダ…

　ここはローゼンブルグの辺境にあるとある村。王都から遠く離れたこの村で、子供たちは魔法使いとなる訓練を受けていた。そう、この村は魔法使い達の隠れ里だった。魔法少女のアンナと見習い…

「私、木なんです。」 　殺されそうになって教会から逃げてきたという少女−リーリエは、自分のことを聖樹の化身だと言う。彼女が魔獣に襲われそうになっていたところを、魔法学園に通うア…

ロードバイクを買った高校生トシヤがライドの帰りにふらっと寄った峠道、そこは近辺の自転車乗り達に『ヒルクライマーの聖地』と呼ばれている有名な峠だった。初心者のトシヤにそんな峠が上れ…

　科学技術が発達した現代においても魔導は廃れてなかった。魔導は、魔法とも呼ばれ、その存在自体は認識されている。 　そんな魔導を扱える者、いわゆる魔導師たちは、その他大勢の一般人に…

私は負けない。 あの日のヒカリとの約束を叶えるために。 私は負けることだって厭わない。 あの日のリリと、二人の夢が叶うなら。 「一緒に聖女になろうよ！リリ！」そう言っ…

――七不思議を順番にめぐると、最後の不思議「大階段踊り場の鏡」に知らない自分の姿が映るんだって。 小学六年生の結菜(ユイナ)が通う三日月(みかづき)小学校では、そんな噂がささや…

魔法の百合に選ばれた魔女王候補者達が王座を奪い合うこの国で、今代も王太子の愛を射止めた者が勝者になると決まった。 今代の候補者はアサとヨルと呼ばれる少女二人だ。 「「私たちは…

敵国の兵を殺し尽くした結果「串刺し公」と呼ばれるようになった青年と、多くの少女を殺し「殺戮女王」と呼ばれるようになった少女による、血濡れの恋の物語。 ※史実を無視した作品ですの…

常世の何処かに存在したと伝わる別世。そこに生きる人族の者は、自然の神々を崇め、妖を畏れる暮らしと共に在った。 神を祀る社（やしろ）を司る一族に生まれ、特異な能を持つ人族の女は『尊…

アパートの部屋を出ると、軒先で美少女が雨宿りをしていた。 突然の雨が降った日、天羽響樹（あもうひびき）はそんな形で烏丸吉乃（からすまよしの）と出会った。 学校で一番、それも飛びぬ…

実の母に殺され、魔法が蔓延る異世界に転生したみそら。 転生した特典として授けられたのは覚えた魔法を無詠唱で発動できる能力だった。 平民である「ルイ」として転生したみそらは年を重ね…

新しい環境にも慣れ、友人にも恵まれ、日々を楽しく過ごす高校一年生・木村太平は、中間試験が終わってすぐの日、クラスメイトの神辺美玖がらしくない鬱憤晴らしに走る場面を目撃した。「なに…

「余、勇者ちゃん……好き、かも……」 　子供っぽくて少し頼りない色ボケ魔王ナナ様と、 　心に昏い影が差した勇者のたまごの少女リリィ。 　どうして自分は魔王で、あの子は勇者なの…

龍を崇め讃える『龍崇教』を国教とし、国民の全てが信仰者である『龍崇国デライアン』。 彼の国には、龍に愛された存在——『龍選者』と呼ばれる特別強力な力を持つ者達がいた。 当代の龍選…

２０４０年、近未来の日本は『魔獣』と呼ばれる謎の怪物が各地で跋扈していた。 ストレスをためこんだ人間が、額に水晶を埋め込んだ異形『魔獣』と化し、暴走してはあらゆる災害を引き起こ…

子どものときに捨てられ、すべてをあきらめていた少女・さくら。 そんな彼女の前に、天使のような少年・黒崎聖が現れる。 未来を予知する能力を持ち、その能力を使いながら自分を守り必死…