概要
“再生と破壊” ―― 両極の能持つ異種の二人が歪に出逢い、恋におちた。
常世の何処かに存在したと伝わる別世。そこに生きる人族の者は、自然の神々を崇め、妖を畏れる暮らしと共に在った。
神を祀る社(やしろ)を司る一族に生まれ、特異な能を持つ人族の女は『尊巫女(みことみこ)』と呼ばれ、十八になると神族の住む地にゆくという因習があった。彼らの神力を借りる梯(はしご)となるのが、彼女達の役目だ。神族と人族の混血である、その地を統べる其々の長に認められれば子孫繁栄の為の伴侶、否な場合は贄として一族に喰われ、力ごと吸収されるという至極、酷な契約だった。
そんな世に、己の生気と引き換えに治癒を与える花を召喚し、自然界の萌芽促進も可という、尊巫女の中でも稀な異能を持って生まれた、アマリという少女がいた。人族に持て囃される反面、脅威として畏れられてもいた彼女は、近年、頻繁に起こって
神を祀る社(やしろ)を司る一族に生まれ、特異な能を持つ人族の女は『尊巫女(みことみこ)』と呼ばれ、十八になると神族の住む地にゆくという因習があった。彼らの神力を借りる梯(はしご)となるのが、彼女達の役目だ。神族と人族の混血である、その地を統べる其々の長に認められれば子孫繁栄の為の伴侶、否な場合は贄として一族に喰われ、力ごと吸収されるという至極、酷な契約だった。
そんな世に、己の生気と引き換えに治癒を与える花を召喚し、自然界の萌芽促進も可という、尊巫女の中でも稀な異能を持って生まれた、アマリという少女がいた。人族に持て囃される反面、脅威として畏れられてもいた彼女は、近年、頻繁に起こって
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!相容れることのない二人が辿る未来にあるのは。
主人公のアマリは、特異な力を持つ巫女。ゆくゆくは神の一族に輿入れし、認められ伴侶となるか、喰われて神の力の糧となるか、そんな残酷な運命を背負わされています。十八になり、彼女が嫁ぐことになったのは、災厄を招くと言われる厄病神──。
薄幸の少女がさらに不幸になっていくエピソードで始まる物語は、主人公の心情が丁寧に語られ、淡々とした調子でありながら、ぐっと読者を惹きつけ進んでいきます。
運命に抗うことを諦めた少女が、初めて自由を手にして何を思うのか。忌み嫌われる神が人の心に触れてどう変わっていくのか。二人が辿るこれからが、とても気になるお話です。