主人公のアマリは、特異な力を持つ巫女。ゆくゆくは神の一族に輿入れし、認められ伴侶となるか、喰われて神の力の糧となるか、そんな残酷な運命を背負わされています。十八になり、彼女が嫁ぐことになったのは、災厄を招くと言われる厄病神──。
薄幸の少女がさらに不幸になっていくエピソードで始まる物語は、主人公の心情が丁寧に語られ、淡々とした調子でありながら、ぐっと読者を惹きつけ進んでいきます。
運命に抗うことを諦めた少女が、初めて自由を手にして何を思うのか。忌み嫌われる神が人の心に触れてどう変わっていくのか。二人が辿るこれからが、とても気になるお話です。