「童話ファンタジー」を含む小説

羊の少女・ネムリと、人間の男・ヨルトリの物語。夢を通じて“花”を届けるかれらを、人々はこう呼んだ――【夢贈り】と。

山奥の社祠に祀られる日本の女神が、ひょんなことから異世界に吹き飛ばされる話。

魔王を倒す聖剣が収められている村の物語です。

クリスマスの夜、小学生の「ぼく」が気がかりな夢から醒めると、目の前に巨大サンタクロースがいた。突き出た腹で「ぼく」を押しつぶしそうなほどデブのサンタクロースだが、ふだんいい子にし…

　ドラゴンは山の洞窟の奥深くで、ひとつの卵を産みました。 　卵は優しくあたためられ、やがて、真っ黒なドラゴンが生まれます。

記憶を盗む泥棒のおはなし

どうやら僕は、シンデレラの「兄」に転生したらしい。 家族は散財家の母と妹、そしてとっても可愛いシンデレラ。 プリンセスのハッピーエンドのために、僕はがんばってお膳立てするのだけ…

人々は人を喰らう竜に怯えて暮らしていた。その竜を専門に狩る“竜狩り”が、ある砂漠の集落から依頼を受けた。竜狩りは生贄として捧げられる幼い少女と共に竜の住む神殿へと向かう。

　赤いドラゴンは炎の竜。 　炎を吐く山の奥深く、熱くて狭い真っ赤な部屋で、たったひとりで生まれました。

遺体とは身元のはっきりしている死者のことをいう。 対して、身元の不明な死者のことは死体という。 生前の記憶のない死体たちを、遺体たちは差別している。 そんな遺体たちを、死体たち…

マッチ売りの少女は、寒い大晦日の夜に死にました。 でも、それを著者は「なんでだよ！」と嘆きました。 こんな悲しい現実があってたまるか、と著者は思ったのです。 世間的には幸せな物語…

アンデルセンやイソップ、グリム・・・ここは有名な童話の世界。そこに出て来る脇役の悪女達は読み人達にページを開かれるたびに不幸な人生を繰り返している。それを見兼ねた童話の神様が彼女…

　私は梟である。名前は、ない方が自由に羽ばたけるだろうと瞳の魔女が言っていた。 　瞳の魔女の家からほど近い木に私は止まっている。出窓に置かれた花瓶越しに、宵色のローブに踝まで包ま…

あかいりゅうの子がくらすプーカ島では、ふしぎなことがあたりまえにおこります。ことばは通じない、おたがいがなにを思っているのかもよくわからない、それでもなんとなくのどかにすごすおは…

　大陸の覇者たる金獅子の帝国に、若く梟猛な皇帝がいた。 　かの若獅子がその気になれば、ひと口で噛み砕かれてしまいそうなほど小さな蝶の王国は、王女を皇妃として差し出すことで帝国の牙…

不思議の国のアリスの子孫であるエルシ・リデルは一族の落ちこぼれ。継承者《ライブラ》なのに先祖から受け継いだ伽噺能力もろくに使えず、その実力は次期当主である双子の姉エリーシャの足元…

拙作『古の森にいらっしゃい、おチビちゃん竜が待ってるよ!』の中の登場人物(虫)のモッチが、不思議な虹の向こうへお出かけです。 カクヨムに連載中の本編では次章はモッチが主役。 とい…

旅人のモモは、行き倒れていたところを、リゼットと名乗るパン屋の少女に助けられる。 そんな彼女の店には、時折、横柄な男たちが取り立てにやってくるようで……？ 誰かの喜びと幸せで…

昔々あるところに、みなしごの兄妹が下りました。 不作の冬に口減らしにあいそうになった二人は夜の森に逃げ出し、崖から落ちて気を失いました。 目を覚ますとそこは、空飛ぶ馬車の中で……？

　とある国の傲慢な王様は、魔法使いと名乗る老婆から『魔法の石』を手に入れました。 　するとどうでしょう、魔法の石を手にした途端、王の願いは全て叶ってしまうではありませんか。 　し…