「白く」を含む小説

優柔不断な私の前に現れたその手が何もかも決めてくれた。自販機の商品も、友人も、恋人さえも。

　祖母は猫を飼っている。『わたぼー』という名の猫だ。 　白くて、丸くて、ふわふわしている奴である。外から見てると実体はどこにあるのかと思わせるのだが、手を伸ばすと、すぐモチモチし…

　白くて美しい羽を持つ、人ではない女性。 　彼女は、僕が生まれた時から、ずっと見守ってくれていた。 　富小路とみころ様の自主企画、セルフ三題噺『風薫り我想う』への参加作品…

【概要】 群れから離れ、狼たちと森の奥深くでひとり暮らす、ワーウルフと呼ばれる人狼の娘と、彼女たちの群れに不意に現れた少年の、ちょっとラブラブしたお話。 【登場人物】 人狼： …

　子どもの頃は死ぬのが怖くて、というのも毎晩、たくさんの霊魂が空を飛び交う光景を見ていたからだった。月のない夜に、ぼんやりと白く光る物体が、空をスーッと飛んでゆくのだ。 　僕は恐…

美しき犯罪者「ラキス・ジョーカー」は王族という 立場を捨ててまで、犯罪者になった理由とは・・・ 容姿端麗、文武両道な才能を生まれ持つラキスは 肌が他の人より白く、紫色の瞳をし…

代々伝統のある『真名館剣道道場』と『南小剣道クラブ』の小学生高学年の団体練習試合。 そこで、今まで反則以外負けなしだった『ワタル』は初めて同級生の『虎谷』という少年剣士に敗北を…

もし日本全国でフレンズ化現象が起きたらどのような状況になるか、上野動物園のスバールバルライチョウを中心にに考えてみました。 取材が非常に不十分なので細かいところは雑です。

カツを一口頬張る。サクッ、うん、不味い！筋張っていてゴリゴリに固くって、旨味が全然感じられない。ひっでえ味だ。まあ、オークのとんかつなんて頼む方がどうかしていたんだ。そもそも魔界…

　俺の目の前でソイツは死んだ。ほんの数時間前までは楽しそうに笑っていたはずの少女は、絶対に護ると誓ったはずの少女は、首を吊って死んでいた。 　七月七日の事だ。皮肉にも、七夕の日の…

彼女は白く華奢な手でキツネを作り、こんこんと揺らす。それは僕を呼ぶ彼女の優しい声だった。

とある男女の、何気ない朝の一コマ。

父親の再婚で連れ子の絵美（えみ）と暮らすことになった一希。白くて儚くて人形のように可愛い絵美に、あわよくばお近付きになりたいと思う一希だったが、すぐに自分の認識が甘かったことを知…

三十五番目、それ故少年の名はサンゴと言う。 誰にも期待されず、ただ廃棄される様に村より捨てられた少年。 髪は白く、その身は貧相。しかし、心は光に満ちていた。 そんな少年を哀れに思…

日常？非日常？それは狂気なのでしょうか…… いつからだろう。夢を諦めたのは？かかえきれない夢を持って、叶えたいのはどれだかわからなくなって。いつしか、コンビニのバイトに成り…

「人なんてものは結局みんな皮を被ってるだけの獣だ」 そんな世界のとある嵐の夜に黒ヤギの家にやってきたのは昔愛したオオカミ。 そしてオオカミは黒ヤギに自分の子供を預かって欲しいと頼…

　正暦1943年12月、ソビエト連邦陸軍に所属するラスカー・トルストイ中尉は極寒の戦場で人型機動兵器FoTE（フォート）の姿を見る。 　世界は予断を許さぬ欧州大戦の真っ只中。各国…

　魔術、精霊、古き呪いが息づく大地、アンティオキア。その北方、海に面してまでに広がるのは≪声無き森≫―――――音すら吸い込む白く雪深い森の中、一人の狼男が住み着いていた。彼の者は…

澄み渡る青天はモヤがかかって白く滲み、紺碧の大海はうす黒く濁り、かつての美しい輝きは見る影もない。 この《青失期》に一体何が起こったのか。 多くの探検家が埋もれた技術を探し求め、…

スシ・クインティン・ダボガーは寿司を食べたい一心で入った店で店主に突き放されてしまう。ダボガーは果たして寿司を食べることが出来るのか。