「世界終末」を含む小説

蝉の声が聞こえる夏のある日。 学校の屋上で。 声を張り上げ、叫びながら──

　2019年7月。生きとし生けるもの全てに終止符が打たれた。 　若くして未来を失った少年少女の約束。

　ナメクジは小さかった。 　わずか４センチメートルの体長しかなかった。けれど、寿命はなかった。

鋼鉄をも融かす毒の雨が降り続け、人類の文明は崩壊した。 世界の最果てに《雨の降らない楽園に繋がる橋》があるとの噂を頼りに、長い旅を続けてきた男は遂にその橋にたどり着いた。だが橋の…

未来を舞台に描いた十一の短編を集めたものです。 どれも独立した話で、時代も背景もバラバラですが、できれば掲載順通りに読んでいただくと作者としては幸いです。 ※　陰鬱な話も含まれ…

一度目に目を開いた時、世界は青かった。 二度目に目を開いた時、世界は赤かった。 三度目に目を開いた時、世界は… 三度目に目を開いた彼女がなにを見てなにを感じたのかを知るものは…

　世界のどこかに光を見つけたとして、僕達はそこまで辿り着くことが出来るのだろうか。そしてその先には一体何があるというのか。

突如として世界各地にヒトを襲う謎の生命体を産み落とす"異形の樹木"が現れる。 人類は"それ"をヒトに祟(たた)る木――"タタリギ"と呼んだ。 ヒトに留まらず兵器にすら寄生を果たし…

魔法使いだけが生きる世界で「彼」は才能もなく、努力もあきらめた落ちこぼれだった。しかし、寿命の半分を捨てて悪魔と取引し、「自分だけが魔法を使える世界」に転移してもらう。誰も魔法を…

全人類の義体化が完了した世界。クロムとカーボンの人間達に、成分不明の雨が降る。雨は全てを溶かし、世界はまさに滅びようとしていた。そんな極限にあってこそ、ひどくありふれた二人の物語。

「夢を見る機械」や「世界の死」「森の奥に棲むリス」が溶け合いながら世界が終わっていく話。（2008/12作） 村上春樹をかなり意識したような作品なので恥ずかしいのですが、過去の…

「市に行くぞ」。 父の言葉に、ロソは感激のあまり、手にしていた山羊の餌をぽろりと取り落とした。 雪に閉ざされたハリ高地で、人々は〈つかのまの春〉に開かれる市場を目指す……。

一人は小さな村で雑貨店を営む少女、一人は歴代最年少で騎士団長となった少年。二人はある別々の事件で偶然出会う。しかし、それはやがて世界を揺るがす大事件の始まりにすぎず…… 少女は…

未来が見えなくなった今この世界を生きるための、哲学実験小説。 《冷凍篇》大学卒業後も就職できずニートとなった長男には、未来がなかった。 《解凍篇》慕っていた兄の零落した姿にシ…

　この物語は確率的にレイに等しい物語です。ですが決してゼロではない。そんな物語です。 　事前に言っておきますが、この物語は誰も幸せになりませんし、ハッピーな終りでもありません。…

滅びかけた世界に眠る古代兵器の中で彼は目覚めた。 宇宙から飛来した機械生物ASIDに人口の９９％以上を滅ぼされた世界。 更には奇病によって男性がほとんど死滅し、わずか三人しか残さ…

生命体が突如泡となって消えてしまう奇病の蔓延した時代。冬の終わり、再生の季節のはじまり。水島花は偶然出会った車椅子の青年と、終わりゆく世界の春を過ごすことになる。 絶望と三月の光…

西暦２１２８年。 世界が生んだ毒、星が生んだ毒とも言われる【瘴気】が大地や海を覆い尽くしてしばらく。 人はその毒から逃げるために居住を空の都市へと移した。 あらゆる生命を確実に蝕…

俺の名前はブラス＝ロク。 この世界では非常にレアな犯罪者って人種だ。 判決は「城外追放」、所謂「ゾンビのエサの刑」だな。 だが執行日、クール気取った女に取引を持ちかけられた。 …

それなりに文明の発達した猫の惑星で神様に似た境遇にある“僕”たち……。実は太古から様々な身体を乗り継いできた精神存在。いまは猫型になって星を見守っている。そこに古代の地球から人造…