「藪」を含む小説

最近忙しい様子の友人の家に肉を食べに行く。 彼は既婚者で、今日は彼の妻は不在のようだった。 友人が振舞ってくれた肉はとても美味しい肉だった。 彼の家の階段にはなぜ赤い染みがあった…

平均すると親の年収はやや高いめ、進学実績的にはやや地味な瑞城（ずいじょう）女子高等学校で新年度が始まる。一貫制の中学校から進学してくる子、初登校の子、そして初めて出勤した教職員……

　叔父から漢方医学を学び、長崎で蘭方医学を身につけた柴崎椋之助は、江戸の七星堂で町医者の仕事を任せられる。その際、斗北藩家老の父が心配し、食事や身の回りの世話をする小者の伊八を寄…

芥川龍之介の「藪の中」とは違います。 だけど、インスパイアさせていただきました。

芥川龍之介「藪の中」に敬意を

千葉県市川市八幡には、足を踏み入れてはならない「禁足地」がある。 その森の名は、「八幡の藪知らず」。 これは、彼の地に引き寄せられた少年の、不思議な出会いの物語。

「天竺鏡って知っとるや？」 不慮の事故で祖母を亡くした直美は、葬式の宴席で。水を張った桶に鏡を浸してはいけない奇妙な戒めについて耳にする『天竺鏡篇』 「さかさがみに殺してもらお…

泥炭の採れる寒村で腕なし死体が見つかった。 被害者は宿屋の四兄妹の次男。 遺体のそばでは彼の妹が泣いていた。

小学校へと向かう道の途中、変わった場所があった。 竹やぶの間に石が敷き詰められている道があるのだ。歪な形をした石の数は88個。古いものらしく、誰が敷いたのかなんて誰に聞いても分か…

同じシーンを何度も書く。今回は視点を変えてみました。ある種の「藪の中」小説です。 他サイトに以前公開したものからセレクトして並べました。一話あたり1000文字未満となっております…

この世界ではそれが日常。言葉遊びから生まれた、奇妙な世界のなんでもない一風景です。

前世の記憶がある日暮公花(ひぐらし きみか)は、高校の入学式で蛇ノ目剣(じゃのめ つるぎ)と出会い、愕然とする。 遠い昔ハムスターだった公花は、蛇だった剣に野山で追いかけられ、食…

ご当地怪談五発目。 どんなシチュエーションで話しているのかを知りたい方は、お手数ですが『地獄の釜の、蓋が開くまで』からご覧ください。

高校2年生の涼太は、夏の思い出を作ろうと一人で『藪知らず』へと肝試しに行く。 そこは、『入ると二度と出られない』という地元では評判の禁足地だった。

交通事故が多発する地点。通称、四つ辻。見通しの良いこの場所で、なぜ事故が多発するのか。 新人警察官の南井リノは、調査をはじめるが……。

同僚の滝田が結婚をした。彼の口から語られる妻の姿は、数年後、極悪人に変わっていた。 下記の自主企画参加のための書き下ろし ・柴田恭太朗さまの三題噺企画：お題「ナッツ」「台風」「…

　十五年前の夏休み、小学生六人が洞窟探検に行った。 　一人が行方不明になり、今にいたっても見つからない。 　あの日、何が起こったのか？ 　その場にいた五人の話は、バラバラだった。

ボクら施設の子どもらの誰よりも虫に詳しいそのお姉さんは、ボクらにとってのヒーローだった。どんなに誘ってもいっしょに草藪には入ってくれないということを除いて 自主企画『競作:虫取…

長閑な田舎でその日、怒号が響いた。 幸音は共に暮らす双子の妹と共に、薪拾いの最中だった。 藪を隔てた、さほど離れていない場所。 たった一人で十人に囲まれた男。 幸音は、腰に下げた…