と、タカをくくってはいけません。地元の人が「入っては行けない」という場所は、ちゃんと理由があるのです…。皆様も、ネットで調べて面白そうだからと言って、行ってはいけませんよ…?
恐怖ってね、油断から来るんですよ。まさか、たかが、これくらいっていう油断が恐怖を生むんです。禁足地、入っちゃいけない所、異界、異形のもの、空気の色から違う場所。行かなきゃいいのに、やっぱり行く。こわきゃ、よまなきゃいいのにやっぱり読む(笑)ホラーの神髄でした(笑)
禁足地の名は藪知らず。狭そうな見た目とは裏腹に、入った者は二度と戻れないという言い伝えがありました。勉強で消費されていく高二の夏を楽しむために、藪知らずへ足を踏み入れた涼太が見たものとは。扇風機をつけた32℃の部屋で読み始めたにもかかわらず、クーラーの中にいるような冷気を感じました。涼やかを通り越して凍ってしまう体験をぜひ。
短編だから、サクッと読めます。サクッとよめる短い物語のなかに、怖さが凝縮。ネタバレできないので、そう書くしかなくて。高校二年生らしい、男の子。彼が軽い気持ちで、近所で昔から言い伝えのある「薮知らず」に入ったことから物語ははじまります。高校二年。勉強ばかりじゃ辛いって気持ちはわかるけど、でも、軽く入るところじゃなかった。お読みください。とっても不気味です。夏にひんやりとできます。