「純文学 不思議」を含む小説

季節がなくなった200年後の世界で、少年「大矢」は不思議な少女「川原ゆり」に出会う。図書室での秘密の会話や意地悪な彼女の笑顔。無機質なビル群に囲まれる小学校の片隅で彼は初恋を経験…

ある日父が家に連れ帰った動物は、不思議と妖艶な雰囲気を備えていた。 鹿のように黒々と濡れた瞳。鈍く輝く銀色の長い毛。脚は短く、地面を引きずるように、不格好に歩く。猫に近いなにか…

　言葉の羅列。 　そんな軽々しくはない……でも並べられた言葉。

いつからだろう？あたしが図書室で彼と逢うようになったのは。彼とはそこでしか逢えないんだ。彼には秘密があって。

とんでもない田舎に住んでいる優莉と東京在住の正樹は夢のなかでめぐり逢いテレパシーでつきあうことになった恋人同士。ある日優莉がベランダで夕陽を眺め正樹と語らっていると。……

奇異國(キイノクニ)には、人型の白兎と帽子職人が住んでいた。 現世とは離れた異世界。昼と夜が2分割して同時に存在する。 そこに、別の世界からの旅人が、不慮の事故で流れ着く。 違う…

とある男と、夢の中に現れた不思議な女の物語。 書き手である貴方に、特に読んでいただきたい物語です。

あたしの布団はなにかがおかしい。 それに気づいた時点で、もう布団は、世界は狂いはじめていたんだ……。

　中学１年生の咲希は、居場所を感じられず、学校へ行かない。 そのことを母親が、咲希を連れてアロマ調香師真理子さんに相談しに行く。入り口から葛の香りが立ち、咲希は不思議な懐かしさを…

ただ利益不利益の集積としてのみ秩序が保たれる経済特区の『街』には、禁制扱いの技術で美麗な姿に生み出され風俗産業に従事する『ワンダラー』が息づいている。 居場所のない田舎から逃れる…

骨折で入院した僕は退屈していた。そんな僕にお母さんが図鑑を買ってきてくれた。その図鑑とは──。少年時代の不思議な思い出を描く短編。

少女はお婆ちゃんの手で育てられた、大のお婆ちゃん子。母は既になくなっているが、彼女はそんな事を気に病むことがないぐらい、現状に満足していた。ある日、お婆ちゃんから万華鏡を渡される…

「落し物を届けに来たの」 その言葉から始まった奇妙な同居生活

　「わたし」はママの顔を知らない。武蔵野で生まれ育ったママと、緑の中を一緒に歩くのが彼女の夢。 　吉祥寺のカフェ。そこで、ママが飲んでいたカフェインレスの紅茶と小さなロールケー…

大きくまんまるの月が空に浮かぶ夜。少女は大切な祖母が入院している病室で、不思議な少年と出会う。

　ゴールが見えないのにいつまで走り続けなければならないのか。生きることに疲れてしまった合田は、すべてを捨てて母の故郷で最期を迎えることを決意する。そこで「カウントダウン」をつかう…

物心ついた時から可愛い物が好きで父親に抑圧されて育った"和泉"は、男性として生まれながら自分を男なのか女なのか決めかねていた。大学で自分の好きな格好をして過ごすことを決めるが周囲…

僕にはその時の気分を天気に表す能力があります。気分が良ければ晴れ、悪ければ雨といったように自分の心を覗くことが出来るのです。 でもいつの日か僕の空は曇り空しか映さなくなりまし…

他愛もないきっかけで知り合った求職中の若者と、目の見えない老人。 公園のベンチで交わす老人との世間話に、若者は不思議な楽しさを感じ始めていた。 盲人の年寄りの話に耳を傾けているう…

ある日私は沼に落ちて死にました。たどり着いた先は、この世とあの世の狭間の世界。これから三日間をかけ、魂に染み付いたこの世の垢を削ぎ落とすそうなのですが…… 本作は、姉妹の絆をテー…