概要
『私はここじゃない何処かへ行きたくて、ここまで来たんだよ』
ただ利益不利益の集積としてのみ秩序が保たれる経済特区の『街』には、禁制扱いの技術で美麗な姿に生み出され風俗産業に従事する『ワンダラー』が息づいている。
居場所のない田舎から逃れるため『街』の大学へと進学した少女、白鳥有栖はアルビノの青年ウサギと衝撃的な出会いを果たす。
有栖はウサギの友人で“マタタビ”の常用者である猫人の少女チェシャと出会い、個性的なバーが集まる建物『不思議の国』で幾多もの非日常的な体験を経るうちに、高層ビルが立ち並ぶ鋼の森の暗部へと迷い込んでいく。
「私が『不思議の国』へと迷い込んだ日のことを、物語として書き留めようと思う。これ以上、あの記憶が風化していく前に」
主人公である有栖がその時々に残した『手稿』と、当時のことを振り返る疑似自伝的な物語『鋼の森の有栖』の二つによっ
居場所のない田舎から逃れるため『街』の大学へと進学した少女、白鳥有栖はアルビノの青年ウサギと衝撃的な出会いを果たす。
有栖はウサギの友人で“マタタビ”の常用者である猫人の少女チェシャと出会い、個性的なバーが集まる建物『不思議の国』で幾多もの非日常的な体験を経るうちに、高層ビルが立ち並ぶ鋼の森の暗部へと迷い込んでいく。
「私が『不思議の国』へと迷い込んだ日のことを、物語として書き留めようと思う。これ以上、あの記憶が風化していく前に」
主人公である有栖がその時々に残した『手稿』と、当時のことを振り返る疑似自伝的な物語『鋼の森の有栖』の二つによっ
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