ナイフのような月を見る

にこ

第1話

「おかえり、ヨウタ」ミツキが言った。


「ただいま」僕の部屋はとても綺麗になっていた。昨日とは別の部屋みたいだ。


「りんごのコンポート作ったから一緒に食べない?」部屋は甘い匂いがする。彼女は料理が出来たのか。いつも(と言ってもまだ3日だが)僕に頼んできたのでてっきり出来ないと思っていた。


「コンポート?」僕は彼女に聞いた。


「そう、コンポート」僕はとりあえず食べてみることにした。


「うん、美味しいよ。料理が出来るんだったらどうして僕に作らせてたんだい?僕の料理はそんなに美味しくなかったと思うけど」


「ここがあなたの家だからよ」


「なるほどね」

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