概要
【北日本文学賞四次選考通過作】見えないものが、見えてくる。
他愛もないきっかけで知り合った求職中の若者と、目の見えない老人。
公園のベンチで交わす老人との世間話に、若者は不思議な楽しさを感じ始めていた。
盲人の年寄りの話に耳を傾けているうち、しだいに若者は目に見えないものが見えてくる。
※過去に北日本文学賞四次選考を通過した作品をカクヨム向けに編集した物です。
文章多め、改行少なめになっておりますが、それも演出の一つなのでご了承ください。
公園のベンチで交わす老人との世間話に、若者は不思議な楽しさを感じ始めていた。
盲人の年寄りの話に耳を傾けているうち、しだいに若者は目に見えないものが見えてくる。
※過去に北日本文学賞四次選考を通過した作品をカクヨム向けに編集した物です。
文章多め、改行少なめになっておりますが、それも演出の一つなのでご了承ください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!至高のリドルストーリー
御贔屓の作家の新刊を待って開店前の書店に並ぶ読者のように、私は朝早くからネットにつなげたPCの前にじっと座り「まぼろし」第三話のアップロードを待っていました。(嘘です。本当は、起床時まだアップされていなかったので、テレビをみたり朝ご飯を食べたりしていました。ごめんなさい)
映画『ニューシネマパラダイス』の一シーンを勝手に思い浮かべ読み始めたのですが、直ぐに「一寸違うな(いやかなり違うな)」と気づき、スタンスを変えて読み直しました。
コロナ禍で仕事(非常勤講師)にアブれ、もう三か月も自宅に引き籠っている私は主人公=語り手の若者に自分の姿を思いっきり重ねながら、この多くの謎が複雑に入り組ん…続きを読む - ★★★ Excellent!!!伝承文學としての人生~物語ることを物語る
失業中の青年が、盲目の老爺と邂逅することからはじまる物語である。
前半で言及されているように、曩時より、巨万の盲目の作家たちが巨万の物語を創作してきた。ホメロスを劈頭とし、ミルトン、ボルヘスもこれにあたるだろう。と雖も、作者様のイメージしているのは、琵琶法師によって口伝されてきた平家物語のようだ。
睛眼者のみえる世界がみえない老爺と、健常者にはみえないものまでみえてしまった(かもしれない)青年という対蹠は、文藝作品としてはありきたりかもしれない。が、老爺と青年の『物語り』が、形式上、並列に攪拌されている本作では、終焉部でも理解されるように、老爺と青年、障碍者と健常者という階層秩序的二項…続きを読む