「一本だたら」を含む小説

何の物音もしない暗闇の中、僕をそっとまぶたを閉じる。 僕のまぶたの裏に映し出されたのは、一本の満開の桜の木。 その周りには何もない。 僕は、散りゆく桜の木をただ見つめていた――…

　麻薬中毒で少年院送致となり、退院してきた菜々子は、最初はそれを暴露されるのを恐れる、地獄の毎日を送っていた。 　しかし、地獄に垂らされた一本の糸のような周りの人々の理解のお陰で…

時は慶長九年、西暦にして一六〇四年。 二十歳になる剣豪は異界へ転生し、そこにはモンスターが蠢くダンジョンが存在した。 エルフの少女と出会い配信活動を開始する剣豪。 剣豪は〝強…

王家の末姫エセルと、魔物狩りをしている謎めいた剣士ラキスが、様々な障害を乗り越えて幸せをつかむまでの物語を、童話風かつ少しダークな世界観の中で描いています。障害は種族差、身分差、…

ふるさとの田舎道。 アパートの一室。 雨の降る何処かで。 先日見た脈絡の無い夢の内容を、一本のお話にまとめました。 ※投げ銭アプリなどでの使用OK。 ※作者名は明記（厳守）。 …

藍原律希（あいはら りつき）はSNSに投稿した恋愛ポエムが何故かバズった事で、ネット上で「恋愛の教祖」と呼ばれている。 しかし本人は恋愛経験ゼロ、それどころか恋愛感情自体にピンと…

創作仲間とたまにお題を出し合って、一本書いて、合評する。なんてことを不定期にやっております。 それをバックアップも兼ねて、まとめています。

ある日、桜咲署にかかってきた一本の電話。 「桜咲国際空港に爆弾を仕掛けた。爆破されたくなければこちらの要求を呑め」 刑事・宮本の長い一日が始まった―― ※作中に伏せ字が多いです…

ギターをこよなく愛する私、吉野仄（ほのか）は、新学期早々変な生徒、水野結衣の隣の席を引き当てる。 結衣はなぜだか一本の"和傘"に異常に執心しており、あろうことか所構わず常日頃持…

※一話完結。十人の色にまつわる物語。 ※【KAC2024】『色』参加作品。 ある日、春香に北条家との縁談話が持ち上がった。春香にとっては、にわかに降ってわいた玉の輿だ。母の真理子…

映像制作会社ＡＬ企画の看板作品「心霊調査室」。 フェイクドキュメンタリー形式の映像作品であるが長く続けていくうちに視聴者から時折本物が届くようになりお蔵入り映像が増えている。 そ…

――気づいたら、うどんだった。 男がその事実に気づいた時、うどんとして食べられる寸前であった。 状況が分からないまま、何とか体（うどん）を奇跡で動かす。 「クッ！　あれやこれ…

「ファトゥム家は没落しました」 異国での留学を終えて帰郷した青年カーリは、仕える予定だった貴族が没落していた事を知る。 残されていたのはかつての妹分と、灰かぶりと呼ばれ虐げられ…

２０代の世間知らずな大学生だった頃の話です。 アパートの一本の電話が掛かってきました。 その電話こそが、僕が騙された絵画詐欺のプロローグだったのです。

客の毛を切りすぎた。しかも、頭頂に一本だけ生えていた毛を。どうしよう……そうだ、アフ●犬を乗せよう。 「この犬を乗せるだけで、自由自在に髪型やカラーを変えることができるんですよ」

仕事中にかかってきた一本の電話。 電話口で母は「トロイの木馬っていうのに罹ったんよ」と。 「とりあえず、今からそっち行きます」 ※サポート詐欺は犯罪です。 ※実際に母がサポ…

地獄のような場所で労働を課せられていた太郎。 そんな太郎の目の前に一本の糸が現れる。 引っ張っても切れることのない糸を見て太郎は『蜘蛛の糸』を思い出し、登ってみることにした。 よ…

空から降ってきた一本の刀は、斬れぬ物は無いと謳われている最強の矛だった。時を同じくして出現したダンジョンとモンスターに、世界は一瞬にして地獄と化す。 その十数年後、スキルが当た…

この季節は別れと出会の季節。地元や慣れ親しんだ場所を離れる方も多いと思います。 電車の中でのお喋りや遅刻しそうになった朝、いつもより遅く静かな車内。今思えば全てが大切な時間でした。