「何処か」を含む小説

　ごく普通の高校生男子、佐藤和也は何処に出しても恥ずかしくない普通の少年である。 何をさせても、何処を調べても全てがごく普通の彼は、だがしかし、誰もが羨望に値する程の『ごく普通』…

カウンセラー的生き物として、人生相談っぽく話を聞いて早10年。 生きててなんかしんどい苦しい報われない。 と老若男女、頭抱えてゴロゴロしてる。 何が足りなくて、 何が間違ってるの…

国家の法律の如きに、家族は裁けない ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 行政の判断 vs 犯罪者の法理、板挟みの司法 果たしてこの娘の国籍は消えてしまうのか！ ━━━━━━━…

　ズバリ言ってやる。俺は就活に失敗したんだ。だからもういい何でもやると願ってしまった。あの楽しかったキャンパスライフは何処へ行くんだろうか？　家族・友人に盆・正月以外に会えない俺…

※この小説にはある大事な一人称の文章構成要素が抜けています 不穏・違和感・それでも連続する日常。不思議と出会い、唐揚げを頬張って生きてきた日々の果てにあるカタストロフ目指して物…

何を思ったか、５５歳で仕事を放りだし、突然、旅人宣言。蚤の心臓を絵に描いたようなショボクレたオヤジが、歩き回る世界とは。 アホでも生まれて３年経ちゃ３歳だ。だが、この男はどうだ。…

今日も憂鬱な土曜日を過ごす遥香。 あと何回こんなことを繰り返せばいいのか。私は一体何処へ向かえばいいのか。 悩みを抱える遥香は、ひたすら考える。大好きだった人のこと。私の記憶に眠…

　わたしは叔父を愛してる。 　おそらく叔父を愛してる。 　けれども叔父はそうじゃない。 　母を大事に愛してる。 　けれどもそれも夢の果て。 　子供の夜は霧の中。 　叔父が母を愛す…

何時ものように仕事を終えた殺人鬼、通り名『ロンリデス』はここ暫く拠点にしているボロビルへと帰った。 　「テメェ何処の誰だ？」 　そこには見知らぬ人影があった。 　それが彼と彼…

冠婚葬祭は常に時代の死生観を反映する。 時は近未来。 人々の視覚的記憶をチップに取り出して保存できるようになった時代。 ミハシラ葬祭の久世環、平尾寅吉、検死医の鬼頭篤…

「阿修羅だわ」その言葉を最後に失踪した幼馴染。パリ帰りの画学生に、疑いを抱きつつ魅了されていく……独ではヒトラーが総統に、満州では溥儀が即位した昭和9年。女学生杏子の体験した淫靡…

この小さな世界で。この薄汚れた世界で。それでも希望を持ちたい明日へ。絶望しかない今日から、何処かへ？　Glorious world 第二集、今回も幾つかの物語を用意しました。自ら…

　表向きは無職でぱっと見は何処にでもいそうな青年“森江利三” 　彼には決して表沙汰に出来ない「裏の顔」があった。 　その「裏の顔」とは世間一般で言うところの〈殺し屋〉とか〈便利屋…

　雨に捧げる無価値な詩集。 　雨。それが少年の名だった。彼の中に住む、ひとりの少年。それは彼がかつて出会った者たちの、そして何処かへ行ってしまった者たちの、追憶が織りなす一人…

ありきたりな毎日に鬱屈を吐き出す、 どこにでも居る高校生だった椎名隼人は、ある日奇妙な男と出会う。 話しているうちに意識が暗転、果てに辿り着いたのは、 知っているはずなのに何処か…

　 　自分を「所有」している者に、莫大な富をもたらすという正体不明の「お姫様」の子孫、源(みなもと)鈴子(すずこ)。 　それを奪い返そうと、通称を「鬼」と呼ばれる正体不明の生き物…

歌うことが禁忌とされた世界で、歌う少年セレニティスと、空賊の少年レイン、その妹ミリィが出会う。懐かしさの漂う、本格ハイ・ファンタジー。 第一章＞　第一話では、一目には静謐な物語の…

記録的な暖冬だとか、巷を騒がせてる化け物騒動だとか、どっかとどっかの国の戦争が激化してきているだとか……色んなモノがこの世界を賑わせちゃいるけれど、正直俺には何の関係も…

誰かと誰かの断片集。