概要
降魔(ごうま)せ、降魔(こうま)――なんちゃって妖怪×変身ヒーロー!
俺は国語が苦手である。漢字は書ける。古文もそれなり。ただ、作者の気持ちを答えよだの、登場人物の心理を書けだの言われると、全く駄目。
幼馴染曰く、それは無意識な意図的なものだという。何言ってんのかまるでわかんないが、そいつが言うには俺は本当は最初から全部わかってる癖に、答えを見ようとしない――らしい。
随分買い被られたもんだとは思うが、夏休み前日から始まった非日常の中で、俺は再三そのことを突き付けられていく。
突如現れた「人間でも妖怪でもない存在」――妖人。それを目の前にした時、俺はきっと、最初から答えを出していた。
「ああ、そうか」
今俺に出来ることは――仮面を着けること、だけだ。
「行くぜカザクモ」
「気を抜くなよ、直人」
妖怪をその仮面に宿し、俺は一つの異形と
幼馴染曰く、それは無意識な意図的なものだという。何言ってんのかまるでわかんないが、そいつが言うには俺は本当は最初から全部わかってる癖に、答えを見ようとしない――らしい。
随分買い被られたもんだとは思うが、夏休み前日から始まった非日常の中で、俺は再三そのことを突き付けられていく。
突如現れた「人間でも妖怪でもない存在」――妖人。それを目の前にした時、俺はきっと、最初から答えを出していた。
「ああ、そうか」
今俺に出来ることは――仮面を着けること、だけだ。
「行くぜカザクモ」
「気を抜くなよ、直人」
妖怪をその仮面に宿し、俺は一つの異形と