予告編
――この子は、世界を滅ぼし得る。
二年後、D県青川市。
「南高か。これも血筋なのかね」
阿瀬直人。
「いいじゃない。家から近いんだし」
川島岬。
「これからよろしくお願いしますね」
安野清。
そして――
「宇宙に念を送っていた」
青川南高校で、彼らは出会う。
「青川の地霊は怒っている。怒り狂っている」
狂っているのは街か、人か。
「見えないのか。この全てを焼き尽くす邪悪な炎が」
信仰を許さないことは、許されるのか。
「青川市は魔都と化しています」
「面白いなあ。いつ以来だろう。ここまで他人を拒絶したいのは」
「僕は単なる郷土史家ですよ。今は本当にどこにも属さない」
「ここに、参上」
「今度は私が、直人を助けてみせるから!」
「わかったよ。どうしようもなくわかっちまった」
「俺はお前を止めなきゃなんねえ」
――誰だ。誰が私を呼ぶ。
「俺は、阿瀬直人」
「――は?」
この街は燃えている。あいつは確かにそう言った。そしてそれは――本当になった。
「さあ、出てこい。貴様の威光も崇拝も尊厳も、全て跡形もなくぶち壊してやる」
そして世界は、瓦解する。
『降魔の街』 公開未定
その邂逅は、全てを終わらせる。
降魔の面 久佐馬野景 @nokagekusaba
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