乙女の秘密
「二人とも見たいでしょ。はい、スマホ」
俺たち二人にスマホが渡された。最初の壁ドンから、ヤンキー座り。
紫乃のやつだがとても迫力があった。顔とか完全にヤンキーとかになっていた。
釘バットとか持ってそうである。地雷服を着ているところがギャップがあってとても面白い。
紫乃は自分がどんな格好だったか気になるのだろう。何枚も見ていた。
「私、結構顔こわいわね。」
「最初、心配して声かけてきたとは思えないほど、きれているぞ。
俺なんか心配されそうだったのに、ちびりそうだったからな。最初」
「全く、わからないものね。本当は怖くなんてなかったのに。私優しかったわよね。」
本当に怖かったのは最初だけであった。最初以外はパンツのことで頭がいっぱいでエッチなだけであった。言えないが。
水愛先輩の写真は別にエッチなものは何も見えそうでもないし、実際に見える訳もないのだがなんとなく服の影の描き方とかどうにか頭の中で完成させるのが必要である。
妄想の中では水愛先輩は脱いでいるのでエッチであった。
最後の写真を見ると、やはり姉妹であるから顔が似ている。とても二人に迫られているみたいな感じでとてもにやにやしてしまう。
「かわいいわね、二人とも。私自分じゃないやつで書こうかしら」
「こんな感じでいいかな、だいたい見たようだが」
「丸山君、紫乃。どれが描きたいとかある?私たちはなんでもいいよ余ったやつで」
「私は、二人のやつを描こうかしら。とってもエッチに描ける自信があるわ」
「俺はそうですね、やっぱり、足ドンかスカートたくし上げがやりたいです」
「ところで俺からの視点の足ドンはないんですか?」
「ごめんね、丸山君。私とり忘れちゃった。横からの写真はあるから」
「私の写真使いたいなんてちょっと恥ずかしいな」
自分からやっていたし下に半ズボン履いていたから、そんなに恥ずかしくはないだろうに。
良かった。おそらく水愛は紫乃がパンツ以外何も履いていないことを知らないようだ。
俺がパって言った瞬間に2回目やられたので紫乃も隠しておきたかったみたいだ。
「後は、私たちが選ぶからね、頼んだよ二人とも。なるべくやりすぎないようにエッチに描くんだよ。パンツもブラもきちんと履かせたままにして描いてね」
「何にもつけてない様にして描くと逆に危ないからな18禁になってしまうぞ。全裸はエロじゃないからな、着てるからいいんだぞ」
全裸は芸術、間違いない。イラストを描くときに全裸(そたい)をたまに描くが、どうせ見えなくなるからいいのだ。この意見に大賛成である。
最初から全裸で描くと作品が提出できなくなるだろう。
今回割と薄着だが、大丈夫か不安になってきた。いつも結構服で誤魔化しているから。
「今日は帰って、さっそく私やってみるわ。一緒に帰りましょ」
「分かった、先輩お疲れ様でした」
「ああ、お疲れ。また明日。」
空は夕方になっていて、ほかの部活の人たちはまだ部活を頑張っていた。
多分黒田と炭彦はまだやってるだろう。橙士郎も俺に忠告してきたが青波と話せたしとりあえず、時間稼ぎはできた。
さすがにこの時間に帰るには中途半端で廊下には俺と紫乃の二人きりであった。顧問は相変わらず見ないが何してんだか。
「あんた、別に予定ないわよね、ゆっくり歩きましょ、ちょっとだけ疲れたわ」
「俺も今日けがしたし、一緒だぞ。俺は座るか立ってるかしかしたないから楽だったけど」
俺は紫乃と一緒に帰ることにした。いつもは俺が先に帰るので一緒に帰るのも久々である。
美術室では水愛先輩と心愛先輩が盛り上がっていたのでそっとドアを閉めた。
俺は疑問に思っていたことを紫乃に聞く。
「今日紫乃が短パンとか履いてなかったのはわざとなのか?水愛は体操着着てたし。
「そうよ、でも仕方ないわ。私がいいものを作るには本物じゃなくちゃいけないわ、そのために私が犠牲になったの」
「だから、パンツが丸見えだったのか」
理由あってのことらしい、しかし恥ずかしくないのだろうか。ずいぶん体を張っていた。
「俺は写真撮られなかったけどいいのか?」
「それはあんたの写真はしっかり保存されてい…いないわね」
「なんでもないわ。今回は『花宮すず』を描くための撮影だものあんたとは体格が似てなさすぎよ」
俺の写真はいらないだろう。筋肉もりもりマッチョはネットにいつでもいるし。俺もいつでも脱ぐし。さすがに懲りたから、美術室で脱ぐことは避けるが。
「紫乃、今日は朝からギャルだったが、ずいぶん元に戻ってるな」
「朝の私は、もう昔の私よ。電車でまたやってあげようかしら」
「でもなんでギャルだったんだ?それはあんたがわざわざ俺はこれが好き!って送ってきたからよ。きっとおんなじような恰好をした私も好きになってくれるでしょ」
「確かに面白かったが、行動力あるな」
「笑わないで聞いてくれるかしら」
なんだか、紫乃が真剣な表情で俺に話かけてきた。いつもあんた馬鹿ね、みたいな感じで気軽に話かけてくるのだが。
「私ね、将来イラストレーターになりたいの。昔から絵が好きだったから。笑わないわよね」
びっくりした。普通に告白されるのかと思った、完全に間は告白であった。
そんなわけないのだ紫乃に限って。それに紫乃が絵を好きなのは俺はよく知っている。
応援する以外の選択肢は絶対にない。
「俺もいいと思うぞ、紫乃は昔から絵が好きだもんな。俺ができることがあれば何でも言ってくれ、手伝うから。」
「そうね、笑わないで聞いてくれてありがとう。子供の夢じゃなくて私本気だから」
紫乃の表情は真剣そのものである。俺も真剣に応援しようと決めた。
「なら、今日の朝のギャル化も夢のためなのか?」
「半分は正解ね。やっぱりいろんな経験しといた方がいいと思わない?」
「そうだな、ギャルっていろんなところに出てくるからな」
紫乃の緊張感が消えて普段の紫乃に戻ってきた。なんだかいい雰囲気である。
ずいぶんエッチな日常ではあるが。日常ではない気がする。でも紫乃のかわいさは今日も健在だ。
それにいつもよりかわいく見える。俺も雰囲気に当てられてしまった
「なに、私に言いたいことでもあるわけ」
「いや、もう半分何なのかなって」
「秘密よ」
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