鏑木ミルクの正体は姉だった、失恋。そして朝チュン

『鏑木ミルクのホラゲゲーム配信十回叫んだら即終了』


「こんばんは、子猫ちゃん達。今日もゲーム配信初めていくよ。本日は「祠を壊された幽霊たち」を実況するぜ!遅れてごめんな、いろいろ立て込んでて。枠建てしたからでも一回初めてたら最後まで実況するかさっ!」


 余りに出てくるホラー展開により開始十分ですでに四回叫んでいる。控えめな悲鳴であるが、しっかりろリスナーにカウントされており、残りは6回であった。


「子猫ちゃんたち、ちょっと厳しいんんじゃないかな」

『さっきから叫びすぎ』

『明らかに叫んでる』

『残り六回はやばい、早すぎる』


「僕はビビりじゃないからさ、あっやばい。心霊ポイントが」


 突然画面いっぱいに現れる大量のお化けたち、ミルクは悲鳴を我慢することが出来なかった。


「キャーーー助けてーー。早く、早く来て。急いでだれかー」


 叫ぶとドアが開いた、決してホラゲをしていても開かない現実のドアが開いた。これまでとは違い本物の恐怖である。ゲームとか忘れて完全に本物の悲鳴である。


「誰!キャーーーー」

「俺だよ、なにしてんだよ。蜘蛛かGか俺が殺すから」

「出てって、ここは大丈夫だから。問題ないから」


 俺の後ろにはまだ下着しかつけていない紫乃が俺を部屋からひっぱり出そうとしていた。


「鏑木ミルクが映ってる」

「知ってるわ、だからとりあえずでなさい」


 大騒ぎである。前から後ろからいろんなところから引っ張られていた。もちろん俺は知らなかったがこの時配信サイトのコメント欄も大盛り上がりである。


『彼氏か、彼氏がいた』 

『これは伝説の親フラかw』


『俺のミルクに彼氏いたのか』

『やばい、やばすぎる。放送事故』

『収集つかないよ、どうすんだよ本物のホラーだよ』


 俺はリビングになかば無理やりに追いやられていた。もしかしてお姉ちゃんの正体はVtuberの


『鏑木ミルク』なのか。


「お姉ちゃんもしかして『鏑木ミルク』の中の人?」「

「そうだよ、僕の子猫ちゃん、ちょっと配信が大変なことになってるから終わらせてくるね」

「子猫ちゃん、ちょっと大変なことが起きたので終わりにします。あと弟だから、決して彼氏なんかじゃないからね」



『説明配信が必要だ』

『明日からどうすんだよ』

『炎上、炎上』



 配信は終了しました。



「金彦、何配信中に部屋に入ろうとしてるのよ。邪魔しちゃだめじゃない。間に合わなかったようだけど」

「は?紫乃はしってたのか。お姉ちゃんがミルクだってこと」

「バンド用に歌を教えてもらってる時に教えてっもらったわそもそも何で金彦知らないのかしら」

 お姉ちゃんが部屋から出てきた。かなり焦っている。話を聞いていたらしい。


「私よく、金彦のことネタにしてるから。あと家族にも一応言っちゃだめだから、言っておけばよかった」

「ごめんなさい、間に合わなかったわ。急いだんだけど」

「私がわるいから安心して。今日は寝れないかもしれないけど」


 電話が鳴っている。もしかしなくてもマネージャーからだろう。お姉ちゃんに俺はガチ恋していたのか。


 俺はもとからいつでもミルクに会えてはなせたのか。結構ショックである。

 すごく好きだったのに、現実は俺はお姉ちゃんが好きだったのか。これでは結婚とか無理である。家族がアイドルやってるなんて誰にも言えないし。


 これからは、紫乃にだけガチ恋すると決めた。


「紫乃、これからは『鏑木ミルク』じゃなくて紫乃だけを好きでいるから。俺にとっては紫乃だけが一番だから。結婚してくれ」


「いいわよ、でももう一回海の見える夜景の下でプロポーズしくくれないかしら。私ってロマンチックな告白されたいわ。でも私は予約さてといてあげる」


 紫乃はとてもかわいい。


「金彦、やるー。私なんて彼氏もしないのに彼氏と同棲疑惑が今まさに出てるのに。やっぱり、高校生は違うね」


「私の義姉さま、私は配信ちゃんと見ますよ。応援してますから」


 つい勢い余ってプロポーズしてしまったが、お姉ちゃんが全然見ていた。


 電話してるんじゃなかったんかい。俺は別に降られてないが、事実上『鏑木ミルク』と結婚できないことが確定してしまったので、口癖でつい。


 俺の嫁は紫乃と言ってしまったが、本物の家族になりそうである。


「今日はお姉ちゃん、もうリビングと配信室から出てこないから。二人で和室で一緒になると良いよ、

 どんな物音がしても絶対に覗かないから安心して」


 そういってお姉ちゃんは配信部屋に入ってしまった。


「金彦、これで本当に二人きりね、部屋に行きましょうか」


「まずは服を着ようか。そのままだと風邪ひいちゃうぞ」

「そうね、早く部屋に入りましょうか」


 俺たちは二人で和室に入る。するすると紫乃は下着すら脱ぎだした。


「今度は目が沁みないでしょ。いいわよ、好きにして」


 紫乃は俺のパンツをおろしてきた。二人ともすっぽんぽんである。俺は紫乃を押し倒した。……


「チュン、チュンチュン。カーカー。外から鳥の鳴き声が聞こえる。俺の隣には何にも着ていない紫乃が寝ていた。昨日はすごくえっちだった。俺が起きると、紫乃も起きた。


「おはよう、金彦。着替えるわよ、琥音に気付かれたらちょっと気まずいわ」

「そうだな、ちょっとわかってたかもしれないけど」


 俺たちは着替えて冷蔵庫から昨日の残りのチーズ牛丼をあっためる。お姉ちゃんは配信室で寝ていた。炎上対策で死んでいたのだろう。かわいそうなのでそこら辺にあった布団をかけておいた。


「今日はちょっと原宿とか行きたいわ。デートしましょう。」

「いいな、俺も一度いってみたかったんだよ」


 俺たちは今日は午前中から原宿に行くことにした。少し観光して帰るか。置手紙を残して俺たちは原宿へと旅立った。


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モチベ上がりますのでよろしくお願いします。

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