推しのクイズ
昼休み、俺は手当をしてもらった肘をさすりながら昼食を教室で食べていた。肘が痛むが腹は減る。
おいしい弁当を今日も食べたが運動をしたせいで足りなかった。
サッカーは全身運動である。仕方ないので自販機にパンを買いに行くことにした。
コンビニ自販機に何かいいものがあったらそっちでもいいが。
「黒田、金彦。俺パン買いに行くから、またね」
「いってらー。僕が席もとに戻しときますよ」
今日もパンの自販機を買おうと思ったがいつも食べているやつしかない。仕方ないのでコンビニの方に並ぶことにした。3人くらいいるが、なんのパンにしようか。
今日はフルーツでいいだろう。少し高いがけがもしたし。
今日ぐらい問題ない。金彦くん。
残り一個しかないのではらはらして待っていたが。
かねっちー。
やっぱりチョコパンか。右ほほをつんつんされた。またキスされたのか、紫乃。もうどうしちゃったの。視線を自販機から右手側にずらすと水愛先輩がいた。
「紫、いや水愛先輩どうしたんですか」
「邪魔しちゃってごめんね。あとこのポテチ欲しいな」
なぜここで水愛先輩が来たのか。先輩にはいろいろしてしまったのパンとポテチも買った。ここのポテチはなんか冷えているが、俺は好きである。
少しもらうか。
椅子が空いていたので食堂の椅子に座る。
「どうしたんですか、先輩」
「たまたまあったから話かけたじゃだめかな」
「全然問題ないですよ。いつでも話かけてください」
「嘘だよ。めっちゃ探したよ。伝言があるんだ、紫乃からの」
水愛先輩は嘘をつくのか何で冗談をはさんだのか。話かけられる分には全く問題ないので試されていたのだろうか。まだ、仲良くなる余地はある。
「それで伝言って何ですか?」
「今日ゆっくり部活に来て欲しいって。今日は基本休みでしょ。言わないと帰っちゃうからあとね、楽しみにしてねだって。私も協力するからさ」
「え、何するんですか。確かに紫乃は朝からハイテンションですけど」
「それは乙女の秘密だよ。秘密の方がきっと楽しいからね。また放課後ね」
水愛先輩との距離感は近づいている気がする。半面心愛先輩との距離は広がってる気がするが。教室にいる紫乃が直接言えばいいのに。
まあ、朝からおかしくなっていたのでその反動が今頃来ているのだろうか。
全然目を合わせてすらくれないし。
放課後になった。きちんと覚えているので早速行こうとすると紫乃に話かけられた。
「金彦、ちょっと教室で待ってなさい。準備がいるから。」
「分かったよ、なにするの?」
無視された。
紫乃は行ってしまった
のでどうしようかと思っていると青波が歩いていたので話かける。
背中にギターを背負っている。
「青波、俺橙士郎から聞いたぞ。最近ギターの練習してるんだろ」
「そうだよ、かねちーには秘密にしておこうと思ったけど、ばれちゃったみたいだね。てへっ。」
「でも何でギターなんだ?」
「かねちー『ミルク』がバンドで担当している楽器は何?
そういうことか、理由が分かった。『ミルク』は歌ってみたでいつもギターを弾いる。
もちろんギターが多少弾けるからである。
もしかしなくても影響されたのだろう。俺はギターは弾けないから手伝えないが。
「ギターだった。いつもギター弾いてるよ。しかもたぶん毎回生演奏」
「そうだよ、私も一緒にやろうと思って、『ミルク』ができるなら私もできると思うから。」
「ただ思ったよりもどうしようもなくて橙士郎に朝手伝ってもらってるの」
「『アズーラ・ラテ』のギター演奏配信のしてたよな」
「練習動画まで出てたから、私あれがある程度弾けたら言おうとおもってる。もう少し待ってて、キーボード弾いてくれるよね?」
そういうことだったのか。最近話していないと思っていたが、忙しかったらしい。バイトもしてるみたいだし。
「キーボードなら、弾けるぞ。あとで楽譜見せて欲しいな。練習するから。」
「私が橙士郎に合格もらったら頼むね。それまで待ってて」
「分かった、やるよ」
時間は朝は何もないからいいが放課後やるのは最近厳しんだが、頼まれたらやるしかない。
それに頼まれるまでもう少し時間が借りそうである。
あとで考えよう。問題は今かである。
「あと、腕大丈夫?かねちーいたくない?」
「全然大丈夫だぞ、動かしても問題ない」
「ならよかった、お大事に」
嘘だった普通にこすれている。忘れていたが普通にまだ若干痛む。顔に出さない様に見送る。
少し時間が潰せたのでどうにかおっかなびっくり美術室に向かうことにした。
いつもドアがあいているのにしっかりしまっている。開けづらいのでノックする。こんこん。
面白かったら、いいねとブックマーク、★評価もぽちりしてください。
モチベ上がりますのでよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます