第19話 逢ってはいけない人

 数時間後 横浜 ファミレス ジョナソン


「ああ‥すまない店閉めといてくれるかい?いや‥大丈夫だ‥わかった」


 来人は、客席で、〝アップル〟に電話をかけて店の深夜の営業を止めるよう携帯で依頼した。

 里山理沙は、運ばれてきた〝パスタ〟に「先たべるよ」と言い空腹を満たす為にがっついて手をつけた。

 渡瀬聡太は、「柴山さん、遅いですね‥この店で間違いないですよね?」と来人に尋ねた。

来人は、「間違いない、何か事情があるんだろう」と言うと同時に「おお!待たせたな!」と汗びっしょりの柴山が現れた。


 本来なら3人とも事情聴取を受けるところだったが、来人が〝言霊〟を使い〝柴山に聴取は任せる〟

と仮釈放中の理沙を気遣い、この店で柴山を待つ方向へ持っていった。


 「大騒ぎだぞ!警察中、〝ヤツ〟は、五十嵐警視正を撃って逃げた‥五十嵐警視正はなんとか、命は食い止めたが、3人の警察官が犠牲になった。

横谷総監は、大事に至らなかったと言う話だ、

お前たちの説明に困ったぞ!なんでわかったんだって、話したよ‥お前の能力を何となく誤魔化してな‥ところで、横谷総監が狙われるって何で分かったんだ?」と聡太が持ってきた〝お冷〟を一気に飲んだ。

 来人と聡太は、パスタに夢中な理沙を見る。

理沙は、3人の視線に気付き、フォークを止める。

来人は、小声で「里山理沙さん‥彼女は残像が見える〝能力〟がある。知っての通り、里山議員の娘だ」と話した。

柴山は目を丸くして驚いた!

「何?残像⁈が見える?じゃあ、つけてたどり着いたのか⁈どうして横谷総監が狙われるって分たんだ?」と詰問した。

理沙は、一瞬〝マズイ〟顔をして「まあ、内緒!」と言ってまたパスタに夢中になった。

柴山は、「だったら、明日、五十嵐警視正が襲われた現場についてきてくれ!警察官全員の願いだ、残像を追って欲しい!」と頼む。

理沙は〝どうする?〟と言う目つきで来人を見る。

来人も亡き婚約者の仇を取るのが本願である。

「行ってくれるか?俺も行く」と理沙に来人も頼む。

理沙は、「う〜ん、どうしようかな?‥デザート頼んでいい?」と柴山に聞いた。

「勿論!」と身を乗り出しメニューを理沙に用意した。


 1時間後


一通り話と遅い夕食を終えた4人は、会計の為レジへ向かった。

柴山が〝当然〟とばかりに会計を済ますと、ドアが開き1人の女性が、入ってきた。


 聡太の先生、来人の亡き婚約者の双子の妹


 内田早智子である。


聡太の「あれ?先生!」と言葉を発すると来人も振り向く。


  「翔子!」来人は驚き大声を出した。


 早智子は、「ヤバ!」そう言って〝5秒巻き戻した〟


 ドアは開かなかった。

「あれ?内田先生いたのに?」とキョトンとしている。

 来人は、「何の事だ?」と聡太に尋ねた。

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