第20話 裸体と月

 深夜の月が裸体を照らす。

その裸体は、妖艶な雫を肩から溢す。

 〝事〟を済ませた裸体の主は、男の身体に自らの身体を再度からませる。


 〝5秒巻き戻る〟


 内田早智子は、自らの唇を幾度も男の背中を行き来し、男はやがて、〝反応〟を示す。


 〝5秒巻き戻る〟


 それは、果てては、燃え上がる。


 男の背中は内田早智子を下にして、果てのないダンスを見せる。


 やがて、納得した内田早智子は、窓際に立ちベッドでタバコ吸う男に話かける。


 「ヘマしたみたいだけど〝始末〟されない?」


 男、〝執行人〟は早智子に、

 「だったら1日〝巻き戻し〟てくれ‥」


 そう言って、窓際に近づき月に照らされた。

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