第16話 侵入

 警視庁 地下駐車場


 吉宗は、〝陽炎〟を使い、地下駐車場で警視総監の帰宅を待った。

 18時を回った頃、警視総監が地下駐車場の送迎の車に乗り込むのを確認した。


 ナンバー 206


吉宗は、ナンバーを確認すると、隠れて姿を現し、携帯で〝執行人〟にナンバーを伝え、また〝陽炎〟を使い急いで付近で待機している〝執行人〟の車に戻った。


 都内 某所 タワーマンション


 警視総監の横谷よこたには、送迎の車からおりて、マンションのエントランスに入る、静脈認証のセキュリティを解除して中に入る。

 〝陽炎〟を使った吉宗も一緒に。


 横谷と吉宗を乗せたエレベーターは、48階で停まった。

 横谷は、自分の家の鍵を開け中に入る。

横谷は、妻と子供達が旅行に行っている事に帰ってから気づき、「しまった、食事を済ませてくるべきだだった」と独り言を言う。

横谷は、寝室で着替えを始めた。

リビングには、姿を現した吉宗がエントランスを〝開錠〟させ〝執行人〟を招き入れた。


 警視庁前 午後19時


 里山理沙の運転するプジョー308に、来人と渡瀬聡太は乗り込んでいた。

 「黒のコートでしょ!探してるって、焦らせないで」と口を挟んだ来人を咎めた。

 「うん?あの坊主頭の男走ってる!」理沙は車を移動させ、残像を追う。

 「いた!運転席に黒のコートの男が乗ってる!」

と理沙が伝えると、来人は「追えるか?」と聞いた。

「人の〝残像〟しか見えないけど、やってみる、それより貴方が〝言霊〟使えばいい話じゃないの?」と問うと「怪我は最小限にしておきたい、ヤツと闘うなら‥」と来人は答えた。


 警視総監 横谷の部屋に侵入した〝執行人〟は、

寝室にいる横谷に向かい、3本の指を立て、〝呪い〟をとなえる。


 〝お前は、全てが面倒になり首を吊る〟


 暫くして、寝室の中からゴソゴソと物音が聞こえてきた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る