第15話 〝残像〟を知る女
里山理沙は、保釈された。
理沙の私物は、〝トライアングル〟以外は捨てられていたようで戻ってきた。
理沙は、暗闇の中照明に照らされた伊勢佐木警察署の入り口を見つめる。
見えるのは、〝残像〟である。
数々の人が出入りする〝入り口〟を巻き戻すかのように、〝残像〟を探す。
〝いた!言霊の人〟
理沙は、〝言霊の人〟来人の残像を見つけ、はだけた胸元のボタンを更に一つ外し、シルバーの髪をほどき、ついていく。
残像は、時折〝モザイク〟がかかった様になるが、見失わないように、慎重に後を追う。
その残像は、やがて〝アップル〟と言うコンビニに入った。
〝見つけた〟
渡瀬聡太は、レジで男性の会計を行なっていた。
一人のシルバーの髪の女性が入ってきて、
「ねえ、メガネかけた、長髪のアルバイトの人いるでしょ?あの人会計間違えてない?」と自慢の胸元を強調し、聡太に問う。
「あっ、それは店長ですよ、レシートお持ちですか?」と答え、「店長!」と来人を呼ぶ。
面倒くさそうに、出て来た来人は理沙を見て驚いた。
「ねえ、私のネックレス返して」と迫る。
来人は、「奪ったのは、俺じゃない」と言うと理沙は、「そっか‥反対側ね‥」とキスをするかの様に顔を近づけ耳元で「ヒントあるよ‥あのマンションの事故の犯人の‥」と囁く。
来人は絶句して、顔を離した。
〝警視総監〟
〝吉宗〟
と父、里山議員からの伝言をつたえた。
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