第24話 替え玉

 1996年 5月


 佐倉来人は、自宅でテレビを見ていた。

コンビニ〝アップル〟の2階3階が自宅となっていた。

 夕方6時頃、自宅のチャイムがなる。

来人は、テレビを中断される事にいらいらして、

「誰だよ!間の悪い奴だな!」と独り言を言い、2階から降りた。

 玄関を開けると、そこには、若かりし頃のスーツに身を包んだ〝石川五郎太〟がいた。

「初めまして佐倉来人君かな?〝間の悪い奴〟です」と言いニヤリと笑った。

続けて「先日のIQテストの結果が良くてね!君は選ばれたんだよ!これから政府の養成機関で再テストをするんだよ!君は」と伝える。

来人は、〝間の悪い奴〟のただならぬ陰湿な空気を瞬時に悟った。

「ごめんなさい!僕IQテスト上手くできなかったから、隣の席の山根君と答案用紙を交換したんです!

優秀なのは山根君です!」と嘘をついた。

石川五郎太は、「ダメだよ、そんなズルしちゃ!その山根君の家は?」と聞いた。

来人は、「通りを南に300メートルくらい、行ったところ」と伝えた。

石川五郎太は、目をとじ〝地獄耳〟を使った!

暫くして「山根君は家にいるみたいだね、ダメだよ、そんなズルしちゃ、ガンダム見てるのかい?

〝マチルダ〟さん死んじゃったよ」とテレビの続きを伝えて帰って行った。


 翌日から、山根君は学校にこなくなり、その後転校した。

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