第34話 振り込み金額

 3日後


 佐倉来人の携帯が鳴る。

「はい‥今、金策している‥振り込まれた⁈一千万⁈‥まて、メモを取る‥東京都大田区田園調布‥

千田実清‥そいつが!‥わかった‥ありがとう」

 電話を切った来人は、里山理沙にすぐに電話をかけた。

 「もしもし‥話したのか?里山議員に‥話してない!‥情報屋に金が振り込まれていた‥翔子の居場所がわかった‥わからない、ガセ情報の可能性もある‥とにかくそこへ向かう‥ついてきてくれるのか?‥じゃあ、田園調布の駅に18時に‥一応、里山議員がお金を振り込んでないか?確認してくれ‥後で‥」

 来人は、誰が石川五郎太に金を振り込んだのか?

わからなかった。

 だが、〝翔子は生きている〟その思いだけで、

胸が熱くなり、いてもたってもいられなかった。

 コンビニ アップルの自宅の3階の部屋で急いで身支度を整えて、下に降りた。


 佐倉幸代さくらさちよは、レジで接客をしていた。

来人は、母、幸代に「ちょっとでてくる。夜、間に合わないかもしれない!安田君に電話してくれないか?夜、入ってくれるか?聡太と安田君で深夜を見てもらいたい!無理なら店閉めてくれ!」とモスグリーンのブルゾンの袖に手を通しながら、足早に店を出た。

 幸代は、「どこいくんだか分からないけど、無茶しないでよ!」

 そう声をかけて、暫く目を閉じた。

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