第32話 街頭演説

 新橋 駅前


 総理大臣 小池慎太郎こいけしんたろうは、選挙カーの上で演説をしていた。


 「皆様!自生党は、変わらなければなりません!数々の今までの不埒な行為をあらため、党内を改革いたします!」


 数百人は居る聴衆の輪から離れた場所に〝執行人〟真鍋透はいた。

 「さて‥どうしたものか?‥」

 真鍋は、刺客として小池慎太郎を亡き者にいかにしてするか?思案していた。


 〝総理大臣に至近距離まで近づく機会など、そうはない〟


 真鍋は、捨て身であれば、事をなす事もできるだろう?しかし、怪しまれずその場から立ち去る事は困難、


 〝俺はヤツらの捨て駒として果てて、いいのだろうか?〟


 〝父母の仇を果たせず、20年近く耐えたのはなんだったのだろうか?〟


 そんな思いを抱き、刻々と迫る演説終了の時間の狭間にいた。


 真鍋は、〝どうにでもなれ!〟そんなやけばちな思いで聴衆をかき分け、選挙カーに近寄り、聴衆の先頭まで躍り出る。


 指を三本立て


 〝小池慎太郎は、心臓発作を起こす〟


 壇上の小池慎太郎は、胸を押さえて苦しみだす!


 聴衆の先頭で右手を挙げている真鍋に、警備の警官が数人走り寄る!

 真鍋は咄嗟に〝吹き飛べ!〟と警察官を呪いで吹き飛ばす!

 離れた場所にいた警官が拳銃を構え、発泡した!

弾丸は真鍋の左胸を貫き、真鍋はその場に倒れ込んだ。


 真部が路上を血で染める。




 真鍋は気づくと聴衆の先頭に居た。


 小池慎太郎は、演説をしている。


 真鍋の袖を内田早智子が掴む。

「やめて!連続で30秒も巻き戻したのよ!私をこれ以上〝オバさん〟にしないで!」真鍋が早智子を見ると、早智子髪は、白髪だらけになり顔は疲弊し、年老いたように見えた。



 

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