第6話 トライアングル
午後4時
あのマンションの前に刑事の柴山が待ち合わせに遅れやってくる。
「すまん、来人君 会議が長引いた!」と言い訳を言い缶コーヒーを渡す。
来人は、「別にかまいませんよ」そう言って、あの日の残像と闘う精神力を持てた自分に納得していた。
「さっそく、現場 彼女の部屋へ行こうか?」
と女子大生が中学生を監禁していた室へ向かう。
606号室
部屋に二人が入る。
来人は、メールで貰った捜査資料でも、見ていたが、
〝普通〟と言う印象しかなかった。
柴山は、「普通の女子大生の部屋なんだよ!特に変わったものも出ていないし、参考になるかは、わからないがまあ、見てくれて」そう言って2LDKの部屋へ案内する。
来人は、部屋を見て回るが、本当に普通の女子大生の部屋である。
白を基調としたシンプルな部屋である。
家具も値ははりそうだが、〝清純〟さが滲み出ている。
来人は、〝言霊〟を使った。
〝ヒントが見つかる〟
来人は、〝負の代償〟を
その言葉が示したものは、本棚にある一冊の斜めにおかれていた本が、ブックエンドをずらす事であった。
その本はさしたる違和感はなかったが、
となりに、〝逆向き〟に仕舞われている本を何げなく来人は取り、カバーを外す。
〝呪いのススメ〟
来人はその不気味なタイトルに眉を顰めた。
パラパラとめくる。
カルト的な小説である事がわかった。
後半にいくとページが2センチ程三角形にくり抜かれていた!
来人は何か入っていた、と咄嗟に思った。
その時インターホンが鳴る。聡太であった。
「遅くなりました!」とギターを背負った聡太がモニターに映る。
「鍵は開いてるから」と柴山が答える。
慌てて聡太が入ってきたが、玄関マットで滑って転んだ!
「痛え!やばいギターが」とギターを心配してケースを開けている。
様子を見に来た、来人と柴山は、玄関マットの下に隠れていたフローリングが、入り口から見て逆三角形に削り、剥がされているのに気付いた。
その逆向き三角形は、〝赤〟く塗られていた。
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