第8話 親にシバラレタ人生

 玄関マットの下にあった〝赤い逆三角形〟それを、来人、柴山、聡太は見つめる。

柴山が口を開く「何かの紋章か?」と声を発する。

来人は、人差し指を額に当て、考える。

「シンボルか?何かの集団の?」と言うと聡太は、

「僕は違うと思いますよ、そんな簡単に見つかるところに、大袈裟に記しますかね?」と冷静な意見を言う。

 来人は、「柴山さん!その女子大生、里山と話しをさせてくれないか?〝自白〟させる」と頼む。

柴山は、「かまわないが、また深夜だぞ、署員の目を盗まないといけない‥」

来人は、「深夜は得意ですよ」そう言って、先程あった〝呪いまじなのススメ〟をとりに帰り、ページをめくり、えぐられた大きさを手で確認した。


 聡太の学校 ハヤマ音楽院


 夜になろうとしていた頃講師の内田早智子うちださちこは、自販機でカップのアイスコーヒーを買った。

が、取ろうとした時に溢してしまった!

早智子は咄嗟に周に誰もいない事を確認し、〝能力〟を使った。

 

  〝時が5秒巻き戻る〟


 溢れたコーヒーは何事も無かったように、早智子の手にもどる。


  〝何も無かったように〟


 深夜2時 伊勢佐木警察署


 来人は一人、言われた時間に訪れた。

取り調べ室に、柴山の手配で〝里山理沙〟は、待たされていた。

 柴山に連れられ、来人は取り調べ室に入る。

理沙は、柴山と来人を見るなり「何よこんな時間に!」と文句を言う。

来人は、「すぐすむから‥」と言い、


 〝里山理沙は全てを話す〟


と〝言霊〟を使う。

 理沙は虚ろな目になり、独り言の様に喋りだす。


「‥わかった‥その〝トライアングル〟を持ってくれば‥私は自由‥髪の色も‥結婚も辞めていいし‥

就職もしなくていい‥自由‥わたかった‥パパ」

 

 そう言って気を失ってしまった。


 来人は、右手に激痛を、覚えた!

 言霊の代償であった。


 

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