概要
「明日の夜明けまでに私を相模湾に移送してください」
予備校の夏期講習で出逢った、ツインテールにニーソックスの女の子。銀河政府の地球調査用人工生命体だと自称する彼女は、市ケ谷の喫茶店でそう言った。妄想か、現実か、あるいは…? 市ケ谷から江ノ島まで60km。通学用自転車の荷台に彼女を乗せて、長い夜の旅が始まる。
※この物語はフィクションです。実体験に基づくものではありません。
※作中、法律・法令に反する行為の描写を含みますが、そうした行為を容認・推奨するものではありません。
※この物語はフィクションです。実体験に基づくものではありません。
※作中、法律・法令に反する行為の描写を含みますが、そうした行為を容認・推奨するものではありません。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!15年前の遠いあの夏の夜の出来事
30代半ばになった主人公が思い出すのは、15年前の出来事。浪人生であった夏、予備校の講習で出会った一人の少女との出来事。
彼女は、自分がAIに生成された人工生命体で、夏期講習の終わった翌日の未明に、宇宙船の待つ湘南まで移動しなければならないと言う。
地球から15年の航路の先の惑星まで帰らねばならないのだと。
予備校は東京の市ヶ谷、主人公の自宅は埼玉の戸田。
彼女を湘南・江の島に届けるべく、一夜の、少年と少女の2人のツーリング行が始まる。
SF小説としての土台を持ちながら、小説として描かれるのは、青春の日の仄やかな異性への思情。
あふれる若さとパワーと感受性と、手の負えない未…続きを読む - ★★★ Excellent!!!未来がまだまぶしかった時代、少し変わった少女とのひと晩の記憶
二〇〇八年、グーグルの「ストリートビュー」のサービスが始まり、初音ミクが爆発的人気を獲得したあの年…。
予備校に通っていた主人公は、その教室内で、他の女子とは違う、目立つ容姿をした少女に声をかけられる。
少女は太陽系外から来た人工生命体だと自称する。そして、宇宙に帰還するために、自分を相模湾まで「移送」してくれるように主人公に依頼するのだ。
およそ現実にありそうもない設定…それは事実か、それとも少女が身を護るために考え出したフィクションなのか(私はここで押井守監督の昔の作品『御先祖様万々歳!』を思い出しました)。
ともかく、同年代の少女といっしょにひと晩を過ごせる。主人公は自分の自…続きを読む