力への遺志

麗しの令嬢・緋簾葦と暮らす楠戸鞠の下に、とあるパーティーの招待状が届く。時を同じくして、緋簾葦に対する殺害予告ともとれる脅迫状も。虎穴に入らずんば虎子を得ず。緋簾葦と戸鞠は、山奥で開催される怪しげなパーティーに出席するも、そこで緋簾葦の父の毒殺未遂や謎の遺体の出現、殺人事件に巻き込まれていく。
時を同じくして、緋簾葦の妹である翠華もまた、パーティーに参加する運びとなった。父と仲が悪いはずの母が、どうして父が主催のパーティーに参加するのか。どこかバツの悪そうな母の様子に内心で不安を覚えつつ、翠華もまた狂乱に巻き込まれていく。
正しい行いとは、才能とは、運命とは、人生は何のためにあるのか。各々の思惑が、閉じられた山奥で渦巻き、決着する。