第28話 保健室にて
自己紹介の途中で泣きだしてしまったアンナを、保健室で落ち着くまで様子を見てもらうことになった。どうしてもつらいようなら帰っても構わないと校長はじめ先生方がやさしく言葉をかけてくれた。
◆◆◇◇◇■
8畳ぐらいの部屋には、ベットが2つとその間を仕切りるカーテンが吊り下げられている。その横には小さな机と、中くらいの薬品棚が置いてある簡素な部屋だ。この部屋には大きな窓が一つあり、白いカーテンが溢れるほどの光を遮っている。
「落ち着くまで、好きなだけここにいていいわよ。私を見て泣いていたように見えたけど‥‥」ホシカ先生は、心配そうに言う。
「ごめんなさい。初日からみんなに迷惑をかけてしまって‥」ホシカ先生をみればみるほど、心が痛んだ。
「いいのよ。実はね。私なんか、ここで一番迷惑をかけたんじゃないかな。だから、アンナ先生は気にしなくてもいいわ。今日は保健室にいたいだけいればいいのよ。どうしてもだめだったら、帰ればいいわ。私は午前中は授業がないから、そこの机で学習準備するわね。気になるようだったらカーテンを閉めて横になってね」
やさしく、微笑む色白の顔がシグナに似ている。考えまいとしても、無理だ。
「お言葉に甘えて、30分位横になります。それから、帰るかどうか考えます」そ
ういうと、よけいなことを考えないようにベットへ横になりスリープモードに切り替えた。
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