第14話 到着
ソマと錬は、再びデジャンと飛行中だということを忘れそうだった。空にふんわりと浮かぶ感覚は、雲と一体化しているようだった。かなりのスビードが、いっそうリアルに雲と流れている感覚をリアルに感じられた。
そして気がづいた時には、派遣先についたらしく徐々に低飛行していた。
すっーと人型ロボットに戻ったデジャンは、建物全体を人工内臓システムカメラで見渡す。
ソマと錬は、その広い敷地と建物を見て驚いた。
「ここって、本当に下級エリアなの?」ソマは、中利様宅とほとんど変わらない豪邸を見て驚いた。
「ここは、どう見たって怪しすぎる。しかも、中級エリアがこんなに近くにあるじゃないか」錬も、驚いたようだった。
「でも、変ね。私が仕事に通っている時には、こんな大きな屋敷はなかったはずだけど?」
デジャン達がキビキビと先に玄関先に行ったので、慌てて二人も後についていく。
すると中からは、なぜか同じデジャンが出て来た。
「お前たちは、なんの用でここに来ているんだ?」
「今日は、上級エリアや中級エリア民が、集まってのパーティーが行われると聞いていたので護衛で頼まれました」
「そんなこと、聞いていないぞ」
「バ、バイトですよ。割りがいいので。へへへっ」見かけは同じだが、性格が少し軽い感じがする。
「見逃してください。ところで今日は、何かあったんですか?」別の一体が尋ねる。
「メイドロボットの家族が心配して、様子を見に来たんだよ」
「へっ、そんなことで?」
「こんな大イベントなら、ちゃんと国の許可を取るべきだろう。とにかく、中に入らせてもらうぞ」押し入って入ろうとしたデジャンの前に一人の人間が立ちふさがった。
「デジャン様ご苦労様です。私は、この家の持ち主でらると申します。先ほどから、お話は聞いとりました。ご家族様が心配なさっていると伺ったので、早速メイドロボットを連れてまいりますので、名前を聞かせて下さい」
「アンナっていうんだ」後から来た錬は、デジャン達の後ろから大きな声を出した。
「待って、とにかくどんな職場で働いているのか気になるわ。中には、入れてくれないの?」ソマも、気持ちを伝える。
「ああ、アンナちゃんですね。わかりました。しかし中に入るっていうのは、上級民がリラックスするために設けられたパーティーなので、部外者はちょっと困りますね」
「今日は、上の指示なんだよ。抵抗するなら、全員取り調べてもかまわないっていわれているんだ」
「なっ、なんだって。なんの理由があって、こんな問答無用なことが通るものか」らるは、デジャンの強硬姿勢にたじろいだがデジャンが来る間の時間で疑われる証拠は
全部消し去ったつもりだ。今までにも、何度か危険を回避してきた自信があった。
「そんなに、言うならしょうがない。お客様には、迷惑を掛けない程度にならお見せしますよ。あっ、ちょうど交代で休ませたメイド達の中にアンナがいるので、一緒にいきますか」
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