第16話他人に興味がない彼女と1

「どうだった?大野くん」姫埼さんの書いた。小説を読んだ。

 内容は、他人に興味がない。女性主人公が、実験と題して。

 男の人と一晩を過ごし。恋愛が芽生えるのか。そんな内容だった。

 本人は、恋愛系のラノベを書いたみたいだけど。俺は、この内容を

 読んで。姫埼さんに正直な感想を言った。「姫埼さん。これは、ラノベ

 ぽくない話だね」「そうかな?」姫埼さんが、小首を傾け。俺の顔を

 見てくる。姫埼さんの藍色の瞳に、自分が写り。ドキッとして

 姫埼さんから。顔を逸らす。「どの辺が、ラノベぽくなかった?」

 姫埼さんの問いに、俺は顔を逸らしながら。答える。

「まぁーそうだね。ラノベの定義は、人それぞれだから。

 これは、あくまで。俺個人の意見だけど」前置きを置き。

 俺は答える。「まずは、いきなり。二人が、一晩を過ごす所から

 始める所が・・・・・・。ちょっと微妙かな」「そうなの・・・・・・」

「冒頭いきなり。男女の二人が、朝を迎えて。始まるのが、読んでいる。

 読者としては、『なんでいきなり?』lって。思うかも」

「そうなんだ・・・・・・」二人の関係がわからずに進むから。

 読んでいて、これはどういう状況なのか全くわからない。

「それに、この女の子はこれは実験って言っているけど。

 それは何の為の実験で、何が目的なのか。俺は情報が欲しかったかな」

 「そうだね」納得した表情で頷く姫埼さん。「それに、ラノベにするなら。

 もう少し、キャラクターを内面部分を作らないと。ライトノベルは

 キャラクター小説だから。やっぱり、キャラを濃く書かないとね」

 と偉そうに、姫埼さんの書いた。小説にダメ出しをする。俺は、一体。

 我に返り。俺は、慌てて。姫埼さんに「あっ!でも、主人公の心情描写は

 よく書けていると思うし。それに、それに・・・・・・・」言葉が出ず。

 俺は、姫埼さんの方に顔が向けなかった。その間の沈黙の数秒が長く

 感じた。すると、姫埼さんが口を開き。俺にとある提案をしてきた。

「ねぇ、大野くん。大野くんに、私の担当編集者になってほしいの」

「はい?」姫埼さんの提案に、額から。大量に溢れる。汗が、俺のズボンに

 一滴垂れる。一体、姫埼さんは何で、俺にそんな提案をしてきたのか。

 その狙いがわからない。

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